トイレ情報DXを推進する「TOIMAP」の新展開と地域貢献

トイレ情報DXを推進する「TOIMAP」の新展開

株式会社KICKsが運営する「TOIMAP」は、この度、全国のトイレ掲載件数が15,000件を超えたと発表しました。まちづくりにおけるトイレの位置付けをコストから資産へと変えるこのプラットフォームは、地域経済の活性化やEBPM（証拠に基づく政策立案）の推進に力を入れています。

TOIMAPの成り立ちと実績

「TOIMAP」は、KICKsの代表である山本健人氏が京都大学経営管理大学院での研究を基に生まれました。特に観光地におけるトイレの閉鎖とその影響を分析した「観光地トイレ閉鎖のスパイラル」というテーマを背景に、社会的な課題を解決するために設計されました。その成果が、2025年に行われる八王子まつりにおいて公式トイレマップとして採用されたことに見えます。このイベントでは、なんと70万人が訪れ、3日間で15,812回のトイレ情報の表示があり、利用者アンケートによる満足度は4.0/5.0という高評価を得ました。

利用者の声

実際にトイマップを使った人々の声にも耳を傾けると、好意的な意見が多く寄せられています。「写真データのおかげで安心してトイレを利用できた」や、「ベビーベッドの情報が役立った」といった具体的なフィードバックが、トイマップの効果を裏付けています。また、導入店舗側からは、「トイレ利用が購入に繋がった」という意見もあり、経済効果も実証されています。

トイレにまつわる経済効果

さらに、株式会社KICKsは「トイレ不安」が経済機会損失を引き起こすと試算しており、年間約3,000億円以上にも影響していることを指摘しています。特に高齢者の約70%がトイレ不安を抱えている現状や、日帰り旅行を控える要因としてのトイレの重要性を指摘しています。「快適なトイレはコストではなく、資産だ」という認識を促進し、その価値を最大化する試みが進められています。

TOIMAPの特長

「TOIMAP」は、一般のトイレ情報サービスとは異なり、特に以下の3つの独自性を備えています。まず、トイレに特化した詳細なフィルター検索機能があり、利用者のニーズに応じた情報提供が実現されています。次に、トイレ関連の検索データを取得し、どのようなトイレが求められているのかを解析することで、より現実的なニーズに基づいた政策提言を可能にします。最後に、リアルタイムでの情報収集を通じて、トイレの利用状況を把握できる仕組みも整えています。

今後の展望

さらにTOIMAPは、自治体との連携を深めつつ、リアルタイムのトイレ混雑情報を表示する新機能の開発を進めています。これにより、事前に混雑状況を確認できるため、ストレスのない外出体験が提供可能になるでしょう。現在、デジタルトイレマップの無償実証実験も行っており、地域ごとの特性に応じたトイレマップの提供を進めています。

代表のメッセージ

株式会社KICKsの山本健人氏は、「TOIMAPがもたらすデータ活用の可能性が、地域経済の活性化やEBPMの実現に向けた鍵である」と信じています。さらに、ITやセンサー技術を用いたサービスの進化を通じて、社会インフラの課題解決に寄与することを目指しています。

私たちの身近なトイレは、単なる「利用」の場ではなく、地域経済の活性化に貢献する重要な要素であることを認識し、これを最大限活用していくことが求められています。社会全体のトイレ環境が整えば、より快適な生活が実現できることでしょう。