医療データ革命
2025-11-12 11:27:29

エニシアが特許取得した医療データ解析技術の革新

エニシアが特許取得した医療データ解析技術の革新



エニシア株式会社(京都市左京区)、医療向けAIソフトウェアの開発企業が新たに独自技術に関する特許を取得しました。この技術は、地域医療連携における電子カルテの解析と情報共有を効率化することを目的としています。

技術の背景


地域医療の現場では、患者の診療情報を適切に引き継ぐことが重要ですが、従来の紹介状だけでは不十分であることが多々あります。また、電子カルテは医療機関ごとに記載の形式が異なり、医師は患者の全体像を掴むのに多くの時間と労力を要します。さらに、看護師や薬剤師、介護職といったさまざまな専門職が関与する際も、情報の取得が容易ではなく、作業の負担が大きい状況があります。

エニシアの「AI医療サマリー利活用プラットフォーム」は、これらの課題を解決すべく導入されました。このプラットフォームは、医療言語処理AIによって電子カルテ内の非構造化データを自動解析し、病名やトピックに基づいて情報を整理・再構成する機能を持ちます。これにより、医療者は必要な情報を迅速に把握でき、より効率的な診療が可能になります。

特許の特長


1. 自動解析と構造化


エニシアのAIが自由記述の電子カルテデータを解析し、重要な医療情報を時系列で抽出します。これにより、患者の病歴や治療経過をスムーズに把握することができます。

2. 病名・トピック別サマリーの生成


情報は単なる時系列ではなく、病名やトピックごとに再構成されます。その結果、複数の疾患を抱える患者でも、医療者は瞬時に重要な情報にアクセスできるようになります。

3. サマリーファースト


医療者はAIが生成したサマリーを踏まえて、必要な場合には原文(元の電子カルテ)を確認できます。これにより、情報把握のスピードが大幅に向上し、各職種が共通の理解にたどり着くための時間を大幅に削減します。

技術の応用可能性


エニシアは、このプラットフォームを臨床現場から研究開発にいたるまで、医療情報の価値を最大限に引き出す基盤技術として位置づけています。

臨床現場のDXと働き方改革


このプラットフォームを利用することで、医療者がカルテを解析する時間を大幅に短縮可能です。その結果、患者との対話や治療方針の検討に多くの時間をかけることができ、医療の質の向上に寄与します。

医療リアルワールドデータ(RWD)の構築・分析支援


エニシアのAIは、膨大な非構造化データを高精度な構造化データに変換します。そのため、これまで困難だった大規模データ解析も行えるようになり、臨床・疫学研究や創薬開発における理念実現を支援します。

次世代医療AIの開発基盤


構造化されたデータは、新たな診断支援AIや予後予測モデルの開発における教師データとして活用されます。エニシアは、このプラットフォームが医療AIの進化を支える基盤となることを目指しています。

エニシア代表のコメント


エニシアの代表取締役、下東茂夫氏は、「医療現場の知識を活用し、医療全体の進化に貢献できる情報システムを提供していくことが我々の目標だ」と述べています。この特許技術によって、医療者はより多くの時間を患者のために使えることが期待されており、地域医療の質を高める一助となることでしょう。

エニシア株式会社の革新性


エニシア株式会社は、2017年に設立された京都大学発のベンチャー企業で、医療情報の利活用を促進する独自の言語処理技術『SATOMI』を駆使した製品を展開しています。今後も、医療の質向上に向けて技術革新に取り組んでいくことでしょう。

公式WEBサイトもぜひご覧ください: エニシア公式サイト


画像1

画像2

画像3

画像4

関連リンク

サードペディア百科事典: 医療AI 地域医療 エニシア

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。