京都大学が開発した次世代無線通信技術
京都大学の研究チームは、次世代のスマートメーターにおいて、無線通信を一新する技術を開発しました。この技術は、エネルギー管理システム(HEMS)と電力会社を結ぶ通信経路を統合し、コスト削減や効率向上を図るものです。具体的には、国際無線通信規格である「Wi-SUN HAN」と「Wi-SUN FAN」を、1つの無線機で同時に動作させることが可能な共通ファームウェアを実現しました。
1. 開発の背景
現行のスマートメーターシステムには、電力会社と家庭をつなぐ「Aルート」と家庭内のHEMS機器とスマートメーターをつなぐ「Bルート」が存在しています。従来は、これらのルートごとに異なる無線モジュールを使用せざるを得ないという問題がありました。しかし、Wi-SUN FANとWi-SUN HANは920 MHz帯の無線通信規格であるものの、接続手順や認証方式に違いがあり、従来の手法が限界に達していました。
これを受け、京都大学は2026年5月に共通ファームウェアを開発し、今回はこの技術をさらに進化させることに成功したのです。
2. 研究成果
開発された新しい技術の特徴は、「無線共用調停部」および「高速物理層切替え」機能です。「無線共用調停部」は、Wi-SUN FANの利用時間を調整しつつ、必要に応じてWi-SUN HANに切り替える役割を果たします。さらに、「高速物理層切替え」は、最大約1ミリ秒で通信方式を切り替えることができます。
この技術を用いた実証実験では、実際に電力データの送信や応答に成功し、Wi-SUN FANとWi-SUN HANの併用が可能なことが確認されました。特に、Wi-SUN FANのデータ到達率は99.99%以上、Wi-SUN HANの応答率も99.95%を達成しました。これにより、電力スマートメーターとHEMS機器は、双方の通信が滞りなく行えることが示されました。
3. 今後の展開
この新技術の普及により、スマートメーターの無線通信部は低コスト化・小型化が進むことが期待されています。さらに、今後は広域的なエネルギー管理システムに応用し、ガスや水道との共同検針システムへも展開できる可能性があります。これにより、エネルギーの効率的な管理が実現し、通信設備の共用によるコスト削減にも貢献できるでしょう。
実際の環境における通信性能の向上や、エネルギーマネジメントシステムへの応用に向けた検証も進行中です。専門家たちが目指すのは、より持続可能な社会の実現に向けたIoT通信基盤の確立です。
今後の研究成果を楽しみにしましょう。詳細は
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