京都のHORIBA、業界初のアンモニア・硝酸態窒素計「HC-200N」を発表して排水処理を革新

新しい技術で水質管理を革新する「HC-200N」

京都市のHORIBAグループは、業界初となるアンモニア・硝酸態窒素計「HC-200N」を10月1日に発売しました。この新製品は、下水処理場やし尿処理場における水質管理に役立つもので、特に環境保全や省エネルギーが求められる現代において重要な役割を果たします。

リアルタイム測定で効率的な排水処理を実現

「HC-200N」は、排水中のアンモニア態窒素と硝酸態窒素の濃度をリアルタイムで同時に測定することができる唯一の製品です。これにより、下水処理やし尿処理における生物反応槽の曝気量や薬品の投入量を適切に調整することが可能です。特に、曝気量の管理は微生物を用いた浄化プロセスにおいて電力消費に大きく影響するため、効率的な運転が求められます。

環境負荷の低減とコスト削減に寄与

この新製品の導入により、電力消費の低減やコストの削減が期待されます。また、硝化・脱窒反応で発生する亜酸化窒素の削減にも寄与するため、排水処理の環境負荷を軽減できるとされています。

高い耐久性と安定性

HORIBAの技術力を活かした「HC-200N」は、高い耐久性と測定値の長期安定性を兼ね備えています。新たに開発された硝酸態窒素センサーの電極には、二重の保護膜を採用し、長期間にわたる安定した測定が可能です。約6か月にわたり安定した測定結果を提供するため、維持管理の負担を軽減することができます。

維持管理の負荷軽減

さらに、「HC-200N」はオプションとして提供される超音波洗浄器と組み合わせて使用することができ、センサーを連続的に洗浄することが可能です。これにより、センサーの劣化を常時監視する機能も搭載されており、維持管理にかかる負担を大幅に軽減することができます。

開発背景と市場ニーズ

近年、環境への配慮やコスト削減に対する関心が高まりつつありますが、水質管理においても「HC-200N」のような高精度な測定機器のニーズが増しています。特に、アンモニアと硝酸を同時に測定できることは、これまでの水質測定器では実現されていなかった新たな技術であり、業界において大きな注目を集めています。

今後、HORIBAはこの技術をさらに磨き上げ、排水処理技術の進化に貢献していくことを目指しています。「HC-200N」によって、水質管理の新しいスタンダードが確立されることが期待されているのです。