発熱とノイズを抑えるIC
2025-10-09 10:07:59

ロームが発表!低発熱で低ノイズの三相モータドライバIC「BD67871MWV-Z」

低発熱・低ノイズの三相モータドライバICを開発したローム株式会社



ローム株式会社(本社:京都市)は、産業用途をターゲットとした新しい三相ブラシレスDCモータドライバIC『BD67871MWV-Z』を発表しました。本製品は、12〜48Vシステム向けで特に注目される技術を備えており、発熱を抑えながらも電磁妨害(EMI)の軽減に成功しています。

独自のアクティブゲートドライブ方式「TriC3™」



この三相モータドライバICは、ローム独自の「TriC3™」(トリックスリー)というアクティブゲートドライブ方式を採用しています。この技術は、FETから得られる電圧情報を瞬時にセンスし、リアルタイムでゲート制御を行います。これによって、スイッチング時のFETの消費電力を削減し、それに伴う発熱も約35%低減することが実証されています。また、リンギングの発生を抑制するため、さらに低EMIを実現しました。

実用的なデザインと選択肢の広さ



新製品は、業界で一般的に使用されるパッケージ(UQFN28)とピン配置が採用されており、回路変更や新しい設計にかかる時間を大幅に削減します。加えて、定電圧駆動の他のモータドライバ製品(BD67870MWV-Z、BD67872MWV-Z)とともにラインアップされており、ユーザーは自身のニーズに合わせた製品を選べる柔軟性も持っています。

エネルギー効率が求められる時代に対応



モータは今や全世界の電力消費の約60%を占めており、その効率を向上させるためには高度な制御技術の開発が急務です。特に、12〜48Vのクラスでの駆動においては、MCUと連携したシンプルな構成が主流でしたが、近年はより効率的かつ緻密な制御が求められています。

そこでロームは、これまでのモータドライバやゲートドライバに関する技術を元に、「消費電力」と「ノイズ」の両方を同時に抑制できる『TriC3™』を開発しました。この技術によって、モータの効率が向上し、利用されるアプリケーションの高機能化にも貢献します。

活用範囲の広がる『BD67871MWV-Z』



この三相ブラシレスモータドライバICは、様々なアプリケーションに応用可能です。例えば、産業機器分野では電動ドリルやファン、民生機器では掃除機やエアコンなどに搭載され、Eバイク(電動アシスト付きスポーツ自転車)などにも利用されています。これにより、より高性能な製品への進化が期待されています。

購入の手段と価格



『BD67871MWV-Z』は2025年9月から量産が開始され、サンプル価格は800円(税抜)です。さらに、開発や設計に役立つ評価ボード(BD67871MWV-EVK-003)も提供されており、インターネットを通じて購入することができます。これにより、開発者にとって非常に便利な環境が整いました。

結論



ローム株式会社が新たに開発した「BD67871MWV-Z」は、発熱とノイズの両方を抑えることを実現した優れた三相モータドライバICです。この技術の導入により、今後のモータ駆動における性能向上が期待され、さまざまな産業や家庭製品の発展に寄与するでしょう。


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