京都で体感する昭和のぬくもり
京都市に位置する藤野家住宅では、懐かしの五右衛門風呂の再建を目指すクラウドファンディングが始まりました。「五右衛門風呂」とは、薪を使って鉄の釜でお湯を沸かすお風呂のことで、体の芯から温まると評判です。100年以上の歴史を持つこの京町家には、今もその五右衛門風呂がありますが、残念ながら釜が錆びつき、排水口も壊れてしまいました。
五右衛門風呂の魅力
五右衛門風呂はその歴史背景に興味を引かれます。安土桃山時代の大泥棒・石川五右衛門が釜茹でにされたという伝説が由来です。昭和30年代まで多くの家庭で愛用されており、家族で入った記憶を持つ方も多いのではないでしょうか。特に60歳以上の方々からは懐かしいお話が寄せられています。その温もりは、京都の文化を感じさせる貴重な体験なのです。
藤野家住宅の紹介
藤野家住宅は、1926年に建てられた京町家で、国登録有形文化財としても知られています。高い塀に囲まれ、典型的な「大塀造」の構造が特徴です。平成28年にはその価値が認められ、国の文化財として登録されました。建物のデザインや佇まいには、茶室や数寄屋風の意匠が見られ、訪れる人々に伝統的な京町家の魅力を伝えています。毎年700軒以上の京町家が減少する中、藤野家住宅はその保存を促進するため、一般財団法人藤野家住宅保存会を設立しました。
再建プロジェクトの背景
今回は破損した五右衛門風呂を再建するプロジェクトに取り組むことになりました。屋外の環境や年数の経過によって風呂釜は錆びつき、使用することができなくなっています。数年前から再建に向けた計画が進められていましたが、修理をお願いした左官屋の多くが五右衛門風呂に詳しくなかったため、当初はその実現が見込めない状況でした。しかし、昨年ついに京町家の専門家に出会え、今秋から再建工事が始まります。工事には約250万円の費用が必要ですが、国や市からの補助は受けられないため、クラウドファンディングでの支援を募ることにしました。
クラウドファンディング概要
- - 実施期間: 2024年9月26日から12月25日
- - 目標金額: 1,500,000円
注目のリターン
支援者には五右衛門風呂の入浴体験や藤野家伝来の正月料理体験、さらにはひな飾り体験など魅力的なリターンが用意されています。また、特製のオリジナル扇子も手に入れることができます。詳細はクラウドファンディングサイトでご確認ください。
京都の文化と歴史を残すこの試みに、ぜひご支援ください。一緒に昭和の温もりを再体験しましょう。