AI導入の成功率わずか5%!日本企業の新たな挑戦の必要性とは
AIの導入が急速に進む中で、その実効性が問われています。Helpfeelが行った勉強会、「なぜ日本のスタートアップは失敗するのか──海外最新AI事情と成功条件」にて、海外AI市場から見える現実が明らかになりました。この勉強会にはHelpfeelのCEO 洛西 一周氏と海外事業担当のベンジャミン・フォーデン氏が登壇し、現地で得た数多くの事例をもとに、AI導入の成功に不可欠な条件を論じました。
 AI導入率78%、成功率5%の現実
世界的に見て、AI導入率は78%に達する一方で、実際に成功している企業はわずか5%という現状があります。これは、「AIを導入すれば自然に成果が出る」という神話が崩れつつあることを象徴しています。日本のカスタマーサービスにおけるAI導入率は32%で、国際平均よりも低い数字が示すように、ビジネスにおけるAIの活用がいかに課題を抱えているかを示しています。
例えば、あるグローバル企業では700人のオペレーターをAIに置き換えましたが、結果的に顧客満足度の低下を引き起こし、人のサポート体制に戻さざるを得ないケースもありました。このことから、AI導入の意義は「人を減らすこと」ではなく、「人の労力を補完して業務効率を向上させること」にあるべきだと強調されます。
 人とAIの共生時代に向けて
現在、カスタマーサポート職に求められるスキルは大きく変化しています。従来の感情を重視した対応だけではなく、APIやSQLの理解が求められ、AIを利用した業務の自動化が期待されています。このような時代においては、AIを正しく運用し、成果を上げるための人材が不可欠です。
AIベンダーの役割にも変化の兆しが見えます。ツールの提供だけにとどまらず、導入後の運用支援やコンサルテーションを行う「伴走型」モデルが重要視されてきています。Helpfeelがこの点で高く評価された背景には、AI導入後も共に成長していこうという姿勢があったのです。
 グローバル成功の条件
勉強会では、世界で成功を収めている企業に共通する3つのポイントが示されました。まず、「現地理解」です。地域の文化や習慣に基づいた意思決定が、地域に根ざす経営にとっては不可欠です。次に、引き算思想です。実用性を追求した簡素で使いやすいプロダクトが、情報過多の現代においては重要です。
そして最後に、「プロダクトベース」の考え方です。技術的な競争優位を持ちつつもユーザーニーズに応じた改善を行うこれらの企業は、グローバル市場において優れた成果を残しています。
 Helpfeelの新たな取り組み
勉強会の締めくくりとして、Helpfeelの新機能「自動翻訳機能」が発表されました。AIを活用して、リアルタイムで日本語のFAQコンテンツを50以上の言語に翻訳することが可能で、これは特に日本国内にいる多国籍の従業員や訪日観光客への情報提供に役立ちます。
Helpfeelは、2025年9月に北米市場を中心に26億円の資金調達を完了し、グローバル展開を加速させています。これからもAIナレッジデータプラットフォームを活用しながら、様々なビジネス領域での知識活用を促進し、企業のAI活用を支援していく方針です。
*Helpfeelは、700以上のサイトでFAQやナレッジの共有を行い、企業が持つ知見をAIが理解できる形へと整備します。これにより業務の効率化や新たな価値の創出に寄与していくことを目指します。
 
 
 
 
 
