京都に誕生した周産期グリーフケア専用の宿泊プラン「養生ステイ」
京都市下京区に位置する産前産後ケアホテル「ぶどうの木」は、流産・死産・新生児死を経験した方々を対象とした新しい滞在型ケアプラン『養生ステイ』の提供を開始しました。このプログラムは、心と身体の両方に寄り添いながら、静かで安らぎのある滞在環境を提供することを目的としています。特に、日本において周産期の喪失を経験した方々への専門的なケアの場が不足している中、この取り組みは非常に重要な意義を持っています。
日本における周産期グリーフの現状
厚生労働省の統計によれば、令和5年の日本の死産数は約1万4千件であり、妊娠初期の流産を考慮すると年間約16万人の女性が赤ちゃんとの別れを経験しています。それにもかかわらず、喪失体験をした方々が安心して心身のケアを受けられる施設はほとんど存在しません。
喪失体験に直面する中で、「それに関して語ることにためらいを感じる」という心理が生まれ、社会復帰が難しくなってしまう現状があります。周産期におけるこのような悲しみは外見では見えず、支援が届きにくいという課題も抱えています。これは、悲しみをずっと心の奥に閉じ込めてしまう要因の一つです。
海外の成功例を参考にした『養生ステイ』
欧米諸国では、心のケアを目的としたリトリート文化が浸透していますし、アジアの一部地域では身体の回復を重視した「養生文化」が根付いています。ですが、日本では心身の両面にアプローチする滞在型の回復の場はほとんど見受けられませんでした。
「ぶどうの木」は、台湾式の効果的な身体ケア(薬膳などによる肝臓や腸のケア)と、欧米の心のケア(グリーフワークの考え方)を取り入れた、女性のための新しい回復プログラム『養生ステイ』がここで実現しました。
『養生ステイ』の特徴
『養生ステイ』は、悲しみを乗り越えることを使命とするプログラムではなく、休息の重要性を認識しています。利用者は、何かを語ることや決断を強いられることはありません。心と身体を同時に癒す場として設計されており、ただその時を自分自身のために大切に使うことができるのです。
1. 尊重されるプライバシー環境
滞在中、周囲の音や視線から解放され、個室で静かな時間を過ごせるよう配慮された導線設計が施されています。何もしなくても良い「何もしない時間」が、癒しの一環として捉えられています。
2. 個別のグリーフケア
ケアの形は利用者の選択に委ねられています。話したい時には、研修を受けたスタッフが真摯に耳を傾け、必要であれば想いを書き留めるためのノートや、想い出を偲ぶスペースが用意されます。どんな選択でも尊重されます。
3. 本格的な養生による身体ケア
身体の健康が優先され、出産や喪失後の体調変化に配慮した薬膳スープが提供されます。また、心身を内側から温める食事と休養が組み合わさり、真の安らぎを提供します。
料金とプラン概要
「流産・死産経験者のための『養生ステイ』」プランは、1泊37,800円(税込)から利用でき、チェックインは14:00、チェックアウトは11:00です。流産や死産を経験した方はもちろん、同伴者も受け入れられます。
終わりに
代表の李文文さんは、社会の中で周産期の喪失が正当に受け止められるように、そして悲しみを抱える方々が安心して過ごせる場を提供することを心から願っています。この「養生ステイ」が、日本におけるグリーフケアの新しい選択肢となることを期待しています。
また、産前産後ケアホテル「ぶどうの木」は、助産師や専門スタッフによる高度なサポート体制を整えており、安心して滞在できる環境を提供し続けています。詳細は、公式ホームページやInstagramをご覧ください。