画期的な教育ツール「LEAFシステム」とは
2023年5月7日、株式会社内田洋行は京都大学が開発したラーニング・アナリティクスツール「LEAFシステム」の販売を開始しました。このシステムは、主に初等中等教育機関向けに設計されており、教職員や児童生徒がデジタル教材の学習履歴データを簡単に分析できるツールです。学習者一人ひとりに寄り添い、細やかな学習指導を実現することを目指しています。
「LEAFシステム」の背景
教育現場において、デジタル教材やオンライン学習の導入が進んでいます。特に、GIGAスクール構想により、多くの学校で児童生徒1人1台の端末が配備され、高速ネットワーク環境が整備されてきました。しかし、その一方で、これらの学習環境から収集される多様なデータをどのように教育に活かすかが大きな課題となっています。
2020年から内田洋行と京都大学は協力し、実証研究を行ってきました。この研究には、京都市や滋賀県の複数の学校が参加し、児童生徒の理解度や教職員の業務負担の軽減に関するデータが収集され、授業改善のために活用されてきました。また、2022年には文部科学省のデジタル教科書の実証事業にも「LEAFシステム」が選ばれ、その有効性が確認されています。
システムの特長と機能
「LEAFシステム」は、デジタル教材配信システム「BookRoll」とデータ分析ツール「ログパレット」、そして学習履歴データベース「LRS(Learning Record Store)」で構成されています。
- - BookRoll: 教職員がPDFのデジタル教材を登録し、児童生徒はその教材をタブレットで簡単に閲覧できます。教材上ではマーカーを引いたりメモを残したりと、多様な学習活動が可能です。
- - ログパレット: このツールは、蓄積された学習ログを分析し、見やすい形で可視化します。例えば、児童生徒が引いたマーカーを重ね合わせて表示するマーカーヒートマップや、引かれた単語を集約したワードクラウドを自動生成します。これにより、教師は児童生徒の理解度を把握しやすくなり、効果的な指導へとつなげることができます。
使いやすさと価格
「LEAFシステム」はユーザーインターフェースが大幅に刷新されており、直感的に操作できるよう進化しています。さらに、学習eポータル「L-Gate」と連携することにより、よりスムーズにログインやデータ分析が行えます。
このシステムを利用するための価格は、1人あたり600円(税別)で提供されます。なお、導入には別途費用がかかる場合があります。
おわりに
内田洋行は、教育ICTやデータ活用についての取り組みを強化し、今後も教育の現場においてさらに多くの革新をもたらすことが期待されます。「LEAFシステム」の導入により、教育現場がより個別最適な学びの環境へと進化していくことに注目です。