年末年始は要注意!隠れ脱腸を見逃さないためのガイド
年末年始は、誰もが様々な活動に追われる季節です。仕事の締めくくり、大掃除、忘年会や帰省の準備と、多忙を極める時期ですが、そんな時ほど体のサインには敏感でありたいものです。特に、鼠径ヘルニア(脱腸)と診断を受けている方々が、「痛くないから」と、その治療を先延ばしにするケースが少なくありません。このような方々を私たちは「隠れ脱腸」と呼んでいます。
隠れ脱腸とは?
隠れ脱腸とは、鼠径ヘルニアと診断されたにもかかわらず、治療を受けていない人々のことを指します。彼らは痛みがない、あるいは軽い違和感を抱えている場合、放置してしまうことが多いのです。日常生活の中で「出てきた腸を手で押し込む」という行為も見受けられますが、これは一時的な対処に過ぎません。
このような無関心の背後にはいくつかの理由があります。年末の忙しさから治療に割ける時間がない、病院が休みだと諦めてしまう、さらに手術への恐怖感があるため、受診を遅らせてしまうのです。実際、日本では年間約50万人が新たに鼠径ヘルニアを発症している中、その70%が治療を受けていないと言われています。
皆さんの周囲に隠れ脱腸はいる?
「最近、太ももの付け根にふくらみを感じる」「不安感はあるけれど放っておいてもいいのかな?」といった声も多く、特に中高年男性に見られます。実際、3人に1人が生涯で鼠径ヘルニアを経験する可能性があるというデータもあるため、自分自身や周囲にこのような兆候が見られたら、放置せず早めの受診を促すことが大切です。
隠れ脱腸かも?セルフチェック
以下の項目に当てはまる場合、隠れ脱腸の可能性があるかもしれません。
1. 病院で診断されたが、痛みがないので様子を見ている
2. 腸のふくらみを手で押し込んでいることが日常
3. 忙しさを理由に新年に受診を先延ばしにしている
4. 手術が怖くて治療を躊躇している
5. 嵌頓(腸の飛び出し)が起こったら病院に行けばいいと考えている
6. しかし、待つことは危険だと心のどこかで感じている
専門家が警鐘を鳴らす
鼠径ヘルニアは放置しても自然には治りません。ある日突然、「腸が戻らなくなる」という嵌頓の危険が潜んでいます。症状が悪化すると、激しい痛みや吐き気が出て、生命に関わる状態になってしまうこともあります。そのため、年末年始の慌ただしい時期は特に注意が必要です。
厚生労働省の調査によれば、2022年末から2023年始にかけて救急搬送が前年比3.4倍にのぼる事案が発生しています。医療機関が休診しているため、緊急時の受診が難しくなる状況も懸念されています。
日帰り手術の新しい選択肢
近年、日帰り手術が普及しており、午前中に手術を行い、午後には日常生活に戻れるケースが増えています。年末年始の休みを利用することで、計画的な治療が実現可能です。
忙しさから治療を後回しにすることなく、健康のために一歩踏み出すことができます。
まとめ
年末年始は忙しさに追われる季節ですが、隠れ脱腸のリスクを見逃すことはできません。もし自身や周囲に該当する人がいれば、「新しい年を健康に迎えるために、今こそ受診を考えてみるように」と声をかけてあげることが大切です。健康な未来のために、行動を起こしましょう。
クリニック情報
当院では、鼠径ヘルニアの日帰り手術を行っており、患者様の負担を軽減した最新の治療を提供しています。興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
ttps://gi-clinic.net/about/reservation.html
【お知らせ】
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