早朝高血圧が増える冬季に要注意
寒い冬が近づくと、特に注意が必要なのが「早朝高血圧」です。この状態は、起床後の1、2時間内に血圧が高くなることを指し、脳卒中や心筋梗塞のリスクを増大させる要因です。
調査の背景
オムロン ヘルスケア株式会社は、約1万5千件の家庭血圧データをもとに、血圧の季節変動を分析しました。その結果、冬季には血圧が上昇する傾向があることが明らかになりました。特に、収縮期血圧は夏に比べて冬は平均4.2 mmHg高くなることが観察されています。このデータから、1月に向けた血圧管理や予防策が求められています。
年代別の血圧変動
また、年代別の調査結果によれば、高齢になると血圧は年間を通して高くなり、季節変動も大きいことがわかりました。この傾向は、特に冬における血圧変動に注意が必要だということを示しています。寒さが血管を収縮させるため、血圧が急上昇しやすいと考えられています。
専門家の見解
帝京大学の浅山 敬医師は、「寒い時期は血圧の上昇が避けられない」と警鐘を鳴らしています。朝は自然と交感神経が働き、血圧が上昇しますが、寒さはその状態を悪化させる要因となります。特に冬の早朝は脳卒中や心筋梗塞を引き起こすリスクが高まるため、注意が必要です。
地域別の血圧データ
さらに、都道府県別にみた季節ごとの朝の血圧変化にも地域差があります。たとえば、高知県や和歌山県では、血圧コントロールが難しい地域が多いことが示されており、全国的に見ると対策の必要性が浮き彫りになっています。
早朝高血圧対策:今日から実践できる3つの行動
1.
毎朝の血圧測定: 起床後の1時間以内に同じ時間、同じ姿勢で血圧を測定して記録しましょう。これにより、自分の血圧の変動を把握することができます。
2.
室温管理: 室内の温度を20度前後に保つこと、または暖房を利用して寒さを和らげることが重要です。脱衣所やトイレの寒さに気をつけることも忘れずに。
3.
睡眠時の保温対策: 寒さ対策として、就寝時に腹巻や靴下を着用し、起床時はゆっくりと動くことが大切です。急に起き上がると血圧が一気に上昇するため、注意が必要です。
自宅での血圧測定の重要性
これらの生活習慣を見直し、家庭での血圧測定を行うことが、重篤な疾患を防ぐためのカギとなります。オムロンは、手軽に血圧を測定できる機器を提供し、人々の健康管理をサポートしています。また、全国民に向けた「血圧朝活キャンペーン」も実施中で、この取り組みを通じて早朝高血圧の予防を呼びかけています。
結論
寒い季節に向けて、早朝高血圧のリスクをしっかりと認識し、日々の対策を実施することが重要です。自分の血圧を正しく把握し、生活習慣に取り入れて、健康的な生活を送れるように心がけましょう。