水電解技術開発の新たなステージへ、堀場製作所が産総研とタッグ
京都市南区にある株式会社堀場製作所は、国立研究開発法人の産業技術総合研究所(産総研)と共に「水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業」に参画しています。このプロジェクトは、NEDOが推進するもので、水電解における新しい技術の確立が目指されています。
背景:
脱炭素社会が求められる中、水素エネルギーの重要性が高まっています。特に水を電気分解して水素を生成する水電解方式の中で、SOEC(固体酸化物形電解セル)は、効率とコストの両面で優れた能力を持つ技術として注目されています。これにより、エネルギーの利用方法が大きく変わる可能性があります。
プロジェクト内容:
本プロジェクトでは、SOECの劣化評価や性能試験を行い、その結果をもとに評価手法を確立します。これにより、SOECセルスタックの要素技術開発が進み、次世代の水電解システムの実用化に寄与します。堀場製作所は独自に開発した評価システムを駆使し、長時間にわたる耐久試験を実施。これにより得られたデータは、SOEC技術の進展に役立てられます。
HORIBAの取り組み概要:
このプロジェクトは、2025年6月から2030年3月までの予定で進行します。目的は、評価試験項目の妥当性確認、標準的な性能評価法の検証、そして高精度を備えた評価装置の仕様確立です。これにより、SOEC技術の進展を推進し、効率的な水素製造手法を確立します。
SOEC評価システムについて:
堀場製作所が開発したEvaluato(S5-HT)は、高精度の評価装置です。このシステムは、水蒸気の流量や温度を制御し、セルスタックに供給します。その結果、水素生成量の測定がリアルタイムで行えるため、多様な条件での評価が可能です。これにより、技術開発が加速し、将来的には広く普及することが期待されています。
未来への展望:
脱炭素社会の実現には、技術の進化と社会実装が不可欠です。堀場製作所は、このプロジェクトにおいて培ったノウハウを活かし、他の企業や研究機関と連携しながら、次世代の水電解技術を推進します。これにより、日本国内外での水素エネルギーの実用化に向けた新しい道筋を築くことが期待されています。
まとめ:
水電解技術の開発は、脱炭素社会を目指すための重要なステップです。堀場製作所と産総研がともに取り組むこのプロジェクトは、今後の水素エネルギー活用に向けた大きな一歩となることでしょう。日本が次世代の水電解技術で世界をリードする日の到来を期待しています。