世界最大の私立教育機関であるEF(イー・エフ・エデュケーション・ファースト)は、2023年5月22日に日本で初めてとなる女性社長、伊東グロニング七菜が就任したことを発表しました。新社長は大阪・関西万博の北欧パビリオンでスピーチを行い、教育の持つ力とサステナビリティについて熱く語りました。この場での発言は、教育の重要性を訴える大きなきっかけとなりました。
伊東社長は、彼女自身の人生経験を通じて、教育がどのように人々をつなぎ、文化を理解させるかを説明しました。彼女の父は日本人、母はノルウェー人で、彼女は東京で育ちましたが、12歳の時にアメリカに移住しました。その際の言葉の壁や孤独感を乗り越えたきっかけが、授業中に発したジョークだったというエピソードを語ります。この体験を通じて、彼女は教育が技術やスキルだけでなく、文化的交流を深め、人をつなぐ力を持っていると信じています。
さらに、EFは「Decision Shaping Moment(DSモーメント)」という概念を持ち、人々の人生を変える瞬間を重視しています。伊東社長にとって、授業中のジョークがまさにその瞬間だったのです。このように、留学を通じて得られるのは、単なる言語能力にとどまらず、文化や価値観の理解、他者への共感を育むことにもつながります。
伊東社長は、万博のテーマ『いのち輝く未来社会のデザイン』に沿って、サステナビリティに対する教育の重要性を訴えました。彼女は、「サステナビリティは単に環境問題を解決するための技術や知識だけでは不十分」とし、真のサステナビリティには教育が不可欠であると述べます。「知らないものは守れない」という言葉を通じて、教育が未来を築く基盤になり得ることを強調しました。
最近は、若者だけでなく、シニア世代の留学ニーズも増えていることに伊東社長は言及しました。中高生や大学生と同様に、大人たちも新しい自分を発見するため、「人生を変える旅」を求めています。このように、EFが提供する語学留学が、様々な世代において意義を持つことを訴えています。
教育は、国や文化を越えて人々をつなぐ重要な手段であり、EFはその実現に貢献しています。「教育に投資することは、経済的なリターン以上に、人と社会、そして地球をつなぐ選択だと考えています」という言葉からは、これからの未来に向けた決意も感じられます。彼女のスピーチは、万博という国際的な場にふさわしいメッセージであり、多くの人々に新たな視点を提供しました。
最後に、留学生から寄せられた質問にも真摯に答えた伊東社長。その姿勢からは、教育を通じて一人一人の人生の可能性を広げていこうという強い願いが感じられます。彼女のリーダーシップのもと、EFが日本における教育の未来をどう切り拓いていくのか、今後の展開に期待が高まります。