AI接客サービス「Co店長」の取り組み
株式会社KMS(以下、KMS)は、飲食業界における顧客体験の革新を目指し、AI接客技術「Co店長」を開発し、すかいらーくホールディングスとの連携で実証実験を開始しました。特に、秋葉原の「ガスト」店舗では、最新のAI技術を用いたサービスが提供され、来店客との新たなコミュニケーションが生まれています。
AI事業のビジョン
KMSは、ゲーム開発の豊富な経験を活かし、各業界が直面する課題を解決すべくAI技術の実装を進めています。より多くの業務を簡易化し、親しみやすさをもってAIを利用できる環境を作り出すことが目標です。特に、ユーザー体験(UX)や開発力(Development)、そしてクリエイティブ力(UI)を融合させることで、新しいテクノロジーへの挑戦が行われています。
実証実験の背景と課題
すかいらーくグループは、デジタルメニューや配膳ロボットを取り入れるなど、ITを活用して効率改善に取り組んできました。しかし、これに伴い店舗クルーとのお客様の接点が減少するという問題もありました。そこで、KMSは「Co店長」プロジェクトを立ち上げ、人の手による接客サービスの質を高めつつ、AI技術を駆使してこの問題を解決しました。
「Co店長」の具体的な機能
新しいAIオペレーション「Co店長」は、来店客がデジタルメニュータブレットを通じて会話を交わし、楽しく注文をサポートします。このAIシステムは、ガストのメニューデータと生成AIモデルを組み合わせることで、ユーザーの嗜好に合わせた料理の提案も可能になります。2024年3月からのシステム構築を経て、2024年9月には実証実験が開始されます。
期待される効果とリピーター増加の背景
AI機能により、来店客との賢い対話が実現され、親しみやすさを持つ「研修中」というバッジを付けたAIロボが新たな魅力となっています。結果として、何度も足を運びたくなるような、心のふれあいが生まれる店舗体験に繋がっています。しかし、これが実際に顧客体験向上に結びついているかどうかは、今後のデータに基づく検証が必要です。
新たな活用提案の広がり
実店舗でのAI活用は新たな提案を生むなど、社内でも活発な議論が交わされています。特に話題となっているのは、厨房での新レシピ導入時におけるAIサポートです。メニューチェンジの際に新しい料理を学ぶ作業をAIがサポートできるのではないかといったリクエストが挙げられ、今後は「AIロボ・キッチン」版の開発にも着手する計画があります。
未来への展望
KMSとすかいらーくホールディングスは、導入実績をもとに今後も多様な店舗への拡大を目指し、次世代の顧客体験提供に挑戦し続けます。ゲームのノウハウを活かしたAI技術により、飲食業界の新たな風景がどのように描かれるのか、今後の動向から目が離せません。
会社概要
株式会社KMSは、東京都品川区を拠点に、AI事業やゲーム事業などを展開しています。今後も技術の進化に伴い、新しいサービスの開発が期待されています。