量子技術の革新
2025-07-10 12:03:27

量子技術による半導体製造工程の革新と持続可能な未来へ向けた挑戦

量子技術による半導体製造工程の革新



最近、ローム株式会社(京都市)と株式会社Quanmatic(東京都新宿区)が、半導体製造の一環であるEDS工程に量子技術を導入し、驚くべき成果を上げました。具体的には、セットアップ時のロスを従来よりも約40%削減することに成功したのです。これは大規模半導体製造において量子技術を本格的に導入した初の成功事例であり、その影響は非常に大きいとされています。

EDS工程とは?



EDS(Electrical Die Sorting)とは、ウエハ上に形成されたチップの電気的特性を確認する工程で、半導体デバイスの信頼性や歩留まり向上に寄与する欠かせないプロセスです。通常、多くの変数や条件が影響を与えるため、最適化が難しい分野とされています。

量子技術の導入経緯



ロームとQuanmaticは2023年1月からこの技術の導入について検討を始め、2023年9月にはプロトタイプを構築。その後、2024年4月にはフィリピンのROHM Electronics Philippines, Inc.での本格導入を完了し、現在に至ります。このプロセスで得られたデータをもとに、将来的にはより複雑な前工程への展開も視野に入れています。

複雑なプロセスへの前進



両社は、今回の成功を踏まえ、さらに大規模かつ複雑な前工程への量子技術の導入を議論しているといいます。2025年1月には、そのプロトタイプが完成し、同年4月にはローム浜松の一部エリアで実証実験を行い、成功を収めました。この進展により、安定した半導体製造が可能になることが期待されています。

未来へのビジョン



早稲田大学理工学術院の戸川教授は、今回の成果を具体的な実社会への応用事例として評価しており、量子技術の導入が半導体製造業界に貢献していると述べています。また、ロームの立石取締役は、今後はさらなる工程や生産拠点での量子技術の導入を加速し、供給体制の最適化を図っていく意思を示しています。

量子技術の可能性



量子技術の進化は、単なる技術革新にとどまらず、それによってもたらされる新たなビジネスモデルや効率化は、社会全体にとっても非常に有益です。ロームとQuanmaticの取り組みは、脱炭素社会の実現に向けた半導体の役割をさらに強化するものと期待されています。

今後も両社の連携による新たな展開に目が離せません。日本の半導体産業が直面する課題を乗り越えるため、これからも量子技術の社会実装が進んでいくことを期待します。


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