2025年4月1日から段階的に施行される「育児・介護休業法」の改正に伴い、スパイスファクトリー株式会社は独自の有給特別休暇制度「ウェルネス休暇」の適用範囲を大幅に拡大します。これにより、これまで社員本人の体調不良や通院時のみに限られていた制度が、3親等以内の家族とペットにまで適用されることになります。この変更により、社員は家族やペットのケアのために休暇を取得することができ、通院の付き添いや看病も新たに対象に含まれることになります。
制度改定の背景
この制度改定は、少子高齢化や核家族化、そして物価の上昇によって家庭の負担が増加する中で、仕事と育児・介護の両立を支援する必要性から生まれました。育児・介護休業法が改正され、休暇取得の対象範囲は広がりますが、実際には企業の判断によって無給の可能性もあるため、現実的には使いにくい制度とされることもあります。
スパイスファクトリーでは、社員一人ひとりが大切にする家族やパートナーとともに、安心して働ける環境を作ることを目指しています。これにより、社員が“誰かのために休む”ことを自然に選択できる環境を整備し、持続可能なパフォーマンスや組織の成長に繋げていくという考えです。
「ウェルネス休暇」の詳細
新たに拡大される制度は以下のようになります。
適用範囲
- - 改定前: 社員本人の通院や体調不良のみ
- - 改定後: 社員自身の体調不良や通院、3親等以内の家族の看病や通院の付き添い、さらにはペットの通院も含まれる。
対象者
- - 改定前: 社員のみ
- - 改定後: 社員とその3親等以内の家族、同居していない家族、ペットも対象。
休暇の取得
- - 毎月1日に付与され、半日単位での取得も可能です。
ウェルネス休暇の利用状況
もともとウェルネス休暇は生理や不妊治療、更年期障害に対する休暇として導入されていましたが、2023年には幅広い年齢層の社員が利用できるように、風邪や怪我にも適用範囲を拡大しました。これにより、利用率は2024年に約3.6倍に増加しました。今回の制度の拡充により、家族やペットを含む多様なケアシーンでの活用が可能になり、社員のライフスタイルに寄り添った柔軟な働き方が実現できることを期待しています。
既存の制度との取り扱い
また、スパイスファクトリーでは既存の働き方制度とウェルネス休暇を組み合わせて利用することも推奨しています。例えば、子どもの看病時にはウェルネス休暇、インフルエンザ予防接種の際にはフレックスタイム制度などが利用可能です。
良好な労働環境を支える姿勢
スパイスファクトリーは、社員が家族を大切にしながら働ける環境の構築を進めています。労務担当の依田氏は、「制度は一度つくれば終わりではなく、育てていくものである」と語り、今後も制度を進化させ、更に柔軟で働きやすい環境づくりに取り組んでいく考えを示しています。これにより、社員一人ひとりがライフスタイルに合わせた働き方を実現できるように努めています。