京都の技術が生んだ未来のベンチ
2025年4月13日、待ちに待った2025年大阪・関西万博が開幕します。この国際的なイベントに向けて、京都の企業である株式会社colourloopと大原パラヂウム化学が共同で開発した、再生素材を用いた撥水ベンチが出展されることが決定しました。このベンチは、持続可能性をテーマにした万博の趣旨に沿った新しい試みとして、多くの注目を集めています。
再生素材と化学技術の融合
このプロジェクトの中心には、colourloopが独自に開発した廃棄繊維のアップサイクル素材「TEXLAM®︎」があります。これを基に、撥水性能を高めるために大原パラヂウム化学の非フッ素撥水剤「パラヂウムGS」を使用し、機能性を向上させました。これにより、見た目の美しさだけでなく、実用性と耐久性も兼ね備えたベンチが完成しました。
両社の連携は、環境に配慮したものづくりを追求する姿勢が共通しており、持続可能な未来社会の実現に向けた道筋を明確にしています。また、万博という舞台に向けて、国内外から集まる来場者へ環境意識を喚起するきっかけを提供することでしょう。
環境配慮型撥水剤「パラヂウムGS」
「パラヂウムGS」は、非フッ素系で環境に優しい撥水剤です。従来の撥水剤に比べて環境負荷が少なく、それでいて高い撥水性能を持っています。この技術は、衣料品だけでなくインテリアや建材など多岐にわたる用途に展開されることが期待されています。
この撥水剤を使用することで、TEXLAM®︎は水によるダメージから守られ、長期的に使用可能です。また、これまでの実績を活かし、さまざまな素材との組み合わせにより、さらなる可能性を開いていきます。
検証と手作業での完成
実際のベンチ制作にあたり、撥水性能を検証するための事前実験が行われました。素材の風合いを損ねず、撥水剤がしっかりと表面に定着するかをチェックするなど、細心の注意が払われました。塗布作業はすべて手作業で行い、それぞれのTEXLAM®︎に心を込めて塗布されました。品質管理の徹底もなされ、完成度の高い製品に仕上がっています。
新しい社会への提案
このベンチが万博でどのように受け入れられるのか、非常に楽しみです。来場者はこのベンチを通じて、再生素材の新しい形を体感し、環境意識を高めることができるでしょう。京都で生まれたこのプロジェクトは、単なる製品開発にとどまらず、持続可能な社会の構築に向けた大きな一歩を踏み出しています。
さらに、このプロジェクトの取り組み方は、ベンチ以外にも家具や内装、建材などへと応用できる素地を形成しています。再生素材が日常の中でどのように活用されていくのか、今後の展開にも注目が集まります。
完成したベンチの制作に必要な資金の一部は、クラウドファンディングで集められています。再生素材の未来と環境への挑戦に共感される方は、ぜひこの活動に参加してみてください。クラウドファンディングページにアクセスできます。
方法の確認と未来へ
最終的に、色々な実験と熱意が結びついて実現したこの撥水ベンチ。環境に優しいだけでなく、快適性や美しさも持ち合わせた製品が、京都から世界に発信されることに大きな意味を感じます。この革新的な取り組みは、世代を超えて循環型社会の実現へとつながっていくことでしょう。