概要
鼠径ヘルニア(脱腸)は、特に中高年男性にとって深刻な問題です。年間約50万人がこの病気を発症する一方、治療を受けるのはわずか3割にとどまっている現実があります。多くの人が「痛くない」「忙しい」「怖い」といった理由で治療を先延ばしにし、その結果、日常生活に多大な影響を与えてしまいます。
鼠径ヘルニアとは?
鼠径ヘルニアは、腹部の組織が筋肉や腱の弱い部分を通って脱出する病気です。この状態が進行すると、腸が戻らない、また緊急手術が必要になる事態へと至ることもあり、実際に命に関わる危険性もあります。治療が遅れることで、趣味を諦めたり、家族との時間が減少するなど、人生の質が著しく低下する結果を招いてしまいます。
医療×映像表現による新たな啓発
Gi外科クリニックでは、従来の痛みに訴える啓発ではなく、「鼠径ヘルニア(脱腸)を治すことで、どれだけ人生が豊かになるか」という前向きなメッセージが込められた啓発動画を公開しました。この動画では、治療後の楽しみを強調しています。
動画で描かれる新しい価値観
映像の中では、釣りやゴルフ、温泉、旅行などの日常が描かれ、「治してよかった」と思える瞬間を描写しています。この新しい価値観を社会に広めることが、私たちの願いです。治療に踏み切れない方々にとってのきっかけになればと願っています。
生活の質(QOL)を低下させないために
鼠径ヘルニアは、加齢に伴うものであり、治療しない限り自然には改善しません。この病気は、早期に日帰り手術を受けることで、ほとんど日常生活に影響を出さずに元の生活に戻れる病気です。しかし、放置していることで、趣味や旅行、温泉など、本来楽しむべきことから遠ざかっていくのです。
日帰り手術のメリット
Gi外科クリニックでは、低侵襲性の「単孔式腹腔鏡手術(SILS-TEP)」を採用し、傷をひとつに抑え、お腹の中には器具が入らないようにする手術を行っています。この手術は日帰りで済むため、患者さんが早期に日常生活に復帰できるよう配慮されています。
情報発信の重要性
当院の調査では、多くの方が日帰り手術の存在を知らなかったり、「何科に相談したらよいのかわからない」といった理由で躊躇されていることがわかりました。このことに対して、社会的な情報発信がいかに重要かを痛感しています。
結論
鼠径ヘルニアに対する理解を深め、治療を選択することが自分らしい生活を取り戻すための第一歩です。私たちは、この新しい啓発動画を通じて、「痛くない」「面倒ではない」「すぐに帰れる」というメッセージを広め、まだ治療を躊躇している方々に新たな可能性を感じてもらうことを目指します。健康な未来のために、ぜひ話しかけてみてください。あなたが新たなスタートを切る手助けがしたいと考えています。