坂ノ途中、奥出雲町の農業振興へ新たなプロジェクト開始

坂ノ途中と奥出雲町が織りなす新しい農業のかたち

京都を拠点とする株式会社坂ノ途中が、島根県奥出雲町における「企業版関係人口創出プロジェクト」に採択され、新たな取り組みを開始しました。このプロジェクトは、奥出雲町の豊かな自然環境を最大限に活用し、持続可能な農業の普及を目指すものです。

奥出雲町とその農業の特徴

島根県奥出雲町は、自然豊かな環境の中で古くから続くたたら製鉄が名高く、地域の象徴となっています。特に、棚田の美しい景観は、砂鉄採取のために構築された水路を再生したもので、今もなお、その水路が農業用水として利用されている点が特徴です。この地域では、耕作と畜産の連携が進んでおり、牛ふんや山草などの有機質堆肥を用いた持続可能な農業システムが確立されています。

しかし、少子高齢化や人口減少という問題も抱えている現在、未来に向けた担い手の確保が最も重要な課題となっています。

坂ノ途中の連携による新たな支援体制

坂ノ途中は、この新プロジェクトを通じて、新規就農者の育成に力を入れています。彼らは、少ない生産量であっても品質を重視し、適正な価格で農産物が市場に出回る仕組みを創出してきました。また、同社は「坂ノ途中の研究室」を設立し、有機農業に関する調査と研究を進めるとともに、新たな農業従事者の確保に向けた戦略的な活動を行っています。

奥出雲町との連携では、これまでの経験と豊富なデータを駆使し、有機農業の普及と新規就農者の誘致を図ります。これにより、地域の農業を支える強固なネットワークを構築し、持続的な発展を実現したい意向です。

企業版関係人口創出プロジェクトについて

このプロジェクトは、奥出雲町が進める官民協力の一環となっており、持続可能な農業や観光資源の活用、さらには脱炭素施策に関する調査と実証実験を行うものです。この取り組みは、地域の資源を最大限に活かした持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。

公式サイトも設けられており、プロジェクトの詳細を知りたい方のために情報公開が行われています。実際の森林資源を利用したエコツーリズムや、地域特産品の販路拡大など、様々なテーマで企業とともに成功事例を築いていく予定です。

全国の自治体とのさらなる連携を

坂ノ途中の研究室は、全国約750の有機農家とのネットワークも持ち、新規就農者への支援活動を行っています。地域計画の策定支援や、有機農業白書データによる産地の強み分析など、多岐にわたるサポートを提供しています。具体的には、滋賀県でのオーガニック野菜担い手確保や、奈良県での地域おこし協力隊の支援など、実績も豊富です。