企業内人材育成プログラム「Climate Lab X」が始動
2025年12月25日に、東京の一般社団法人PDIE Groupと京都市の京大オリジナル株式会社が共同で新しい人材育成プログラム「Climate Lab X」を始めました。このプログラムは、企業が脱炭素化やネイチャーポジティブへの挑戦を行うために必要な知識やスキルを提供し、実践に結び付けることを目的としています。
Climate Lab Xの概要
「Climate Lab X」は、企業の従業員に対して「社内人材の育成」と「新規事業の創出」を同時に支援する、産学連携型のプログラムです。気候変動や生物多様性の問題が企業価値や競争力に直接影響を与える現在、これは非常に重要な試みと言えるでしょう。このプログラムは、企業がグリーントランスフォーメーション(GX)を理念としてではなく、具体的な事業として実装するための実践的なスキルを提供します。
プログラムは約3か月間にわたって行われ、全6回のセッションが用意されています。形式としては、対面とオンラインのハイブリッドスタイルです。目玉は京都大学の教員陣による最新の環境や政策、テクノロジーに関する講義、さらにEarthshot Prizeのネットワークに関与する起業家・専門家によるケーススタディのシェアリングです。
参加者は自社の課題をテーマにしたプロジェクト型ワークショップに取り組み、最終的には経営層とともに社内実装や事業化の計画を立てる機会を得られます。
なぜ今、企業に「Climate Lab X」が必要なのか
近年、規制対応や情報開示だけでは競争力を維持することが困難になっています。また、脱炭素やネイチャーポジティブの取り組みは、もはやコストの視点からではなく、成長の機会と捉えられるようになっています。このため、企業は外部からの調達のみならず、社内での事業創出が求められているのです。「Climate Lab X」はこのようなニーズに応えるべく、企業が持続的に成長できるように「人材」「戦略」「実装」を同時に取り扱うことを目的としています。
PDIE Groupと京大オリジナルの役割
PDIE Group(Purpose Driven Innovation Ecosystem)は、気候変動や生物多様性の問題を解決するためのイノベーションを社会に実装するためのプラットフォームを提供しています。企業、大学、スタートアップ、投資家、自治体など多様な関係者を結びつけ、環境関連の事業創出や人材育成を進めています。特に、Earthshot Prizeの公式ノミネーターとして、新しい環境ソリューションを担うスタートアップの発掘や育成にも注力しています。
一方、京大オリジナル株式会社は京都大学の産学連携を進めるために設立された100%出資の事業子会社です。国内外の企業や経済団体とのネットワーキングを強化し、コンサルティングや研修・講習サービスを展開しています。
企業が未来を切り拓くために
PDIE Groupのシュミッツ・クリスチャン代表理事は、「企業は環境との調和を目指しながら成長することが求められている」と発言しています。環境と事業成長は両立できるものであり、「Climate Lab X」がその実現を助ける“実践の場”であることを強調しています。参加企業は次世代の環境ビジネスの担い手を育成し、持続可能な未来の開拓者になることが期待されています。
企業向け説明会の実施
「Climate Lab X」のプログラム詳細について知りたい企業向けに、2026年1月14日にSHIBUYA QWSで説明会が開催されます。この説明会は、気候変動や環境問題に携わる部署の責任者や担当者向けに無料で行われ、参加は事前申し込みが必要です。興味のある企業は、ぜひ参加して未来のビジネス環境について考えを深める機会としてください。
«Climate Lab X»は、日本企業が持続可能な発展を果たすための新たなステップとなることでしょう。企業が迫られる環境への意識と戦略の両立を図りつつ、次世代のリーダーを育成するその過程を見守っていきたいと思います。