T2と三菱地所が実証する自動運転トラックの建物内走行の未来

自動運転トラックによる新たな物流の幕開け

物流業界は今、急速な変化の波にさらされています。その中で、トラックドライバー不足が深刻な問題となり、効率的で持続可能な物流の実現が求められています。そんな中、株式会社T2と三菱地所株式会社の新たな取り組みが注目を集めています。2025年7月から、国内初となる自動運転トラックの「建物内走行」実証が開始されることとなりました。この取り組みは、2027年に目指すレベル4自動運転トラックによる幹線輸送を見据えたものです。

建物内走行の実証とは

この実証は、三菱地所グループが所有する大型物流施設、東京流通センターを舞台に行われます。自動運転トラックが物流施設内で荷物を効率的に輸送できるかどうかを確認するのが目的です。具体的には次世代基幹物流施設を利用し、「バース」から別の「バース」までの無人輸送を実現することを目指しています。自動運転技術は、特定の条件下で他の運転操作を代替することができるため、ドライバーの乗車を必要としない環境を作り出すことが可能になります。

物流効率化への期待

T2及び三菱地所の両社は、物流の効率化を図るため、まずは7月から9月の間にレベル2自動運転トラックを用い、同一フロア内での直進走行を実施しています。次なるステップとして、2026年には複数のフロアをまたいで走行できるよう技術検証を進める予定です。このプロジェクトを通じて、トラックドライバー不足の解消と同時に、よりスムーズな荷物の流れを実現することを目指しています。

技術的課題とその対応

自動運転トラックが建物内を走行するためには、GNSS情報の受信が難しくなるという課題があります。そこで、T2は高精度な3次元データと「LiDAR」による計測結果を組み合わせ、自己位置を推定する技術の実用化を目指しています。この技術が確立されることで、物流施設内での自動運転が現実のものとなるのです。

持続可能な物流の実現へ

T2は2024年問題を背景に、ドライバー不足の解消を目指し自動運転トラックによる商用運行を開始しています。この動きは、社の成長だけでなく、持続可能な社会の実現へも寄与するものです。自動運転トラックと基幹物流施設の融合を進めることで、より効率的な物流システムを築き、環境負荷の低減に貢献することが期待されます。

今後も、この革新的な技術がもたらす変化に目が離せません。自動運転トラックが普及すれば、物流業界は根本から変わるかもしれません。両社の取り組みから目が離せません。