京町家「西陣の町家」が2025年度グッドデザイン賞を受賞!
株式会社キノアーキテクツが設計した「西陣の町家」が、2025年度のグッドデザイン賞を受賞しました。この素晴らしいニュースは、長い歴史を持つ西陣地区に新たに息吹を吹き込むものです。「西陣の町家」は、職住一体型の設計を特徴としており、カフェ「noki noki」と建築事務所を併設して地域に溶け込むデザインが評価されました。
新しい形の京町家
「西陣の町家」は、浄福寺通りに面しており、幅5m、奥行30mという独特な敷地に建てられています。この新しい町家は、現代の建築技術を活かしつつも、西陣地区にふさわしい景観を保つことに成功しています。1階にはカフェがあり、街の人々にとっても気軽に訪れやすい場所として機能しています。
西陣織の歴史は深く、この地区は日本の織物技術において重要な役割を果たしてきましたが、1970年台以降は生産が減少し、町の景観が変わってしまったのです。そこで、2001年に京都市は景観条例を制定し、新しい建物に厳しい規制をかけることを決定しました。その中で「西陣の町家」は、地域の景観に溶けこむ形で再設計され、現代的な職住のあり方を模索した結果、グッドデザイン賞を受賞するに至りました。
地域との結びつき
キノアーキテクツは、建築設計事務所として西陣地区に根ざして活動しています。彼らの目的は、閉じ込められた建築物ではなく、地域に開かれた町家をつくることです。カフェ「noki noki」は、その一環として設立され、地域の住民や訪れる人々との接点を持つ重要な役割を果たしています。1階での賑わいが、町全体の活性化につながることでしょう。
アーティストの牛木匡憲氏のアート作品が飾られたカフェでは、地域の人たちが集まり、交流の場としても機能しています。これは、町が賑わうための重要なエレメントであり、地域コミュニティの形成にも寄与しています。
審査員のコメント
グッドデザイン賞の審査員は、「西陣の町家」について、現代的な職住のあり方を実現したとして評価を下しました。1階のカフェ、奥にある設計事務所、そして上階にある住居という構成は、商い・暮らし・集いを一体化させており、地域活性化の一助となっているとのことです。さらに、外観についても、無理に伝統を模倣するのではなく、自然な形で京町家の景観と調和している点が評価されました。
デザイン賞受賞の背後にある思い
キノアーキテクツの木下昌大氏と束野由佳氏は、今回の受賞を受けて、カフェ「noki noki」のスタートは地域還元に向けた第一歩だと語っています。カフェを介して設計事務所と近隣住民との新たな関係を構築していく意義を感じているとのことです。数々のプロジェクトが進行中であり、彼らは西陣の文化発信地とうなることを目指しています。
施設概要
- - 施設名: 西陣の町家
- - 所在地: 京都市上京区
- - 主用途: 飲食店兼用住宅
- - 構造: 木造一部RC造3階
- - 敷地面積: 151.05㎡
- - 延べ床面積: 221.49㎡
- - 建築設計: キノアーキテクツ
- - 詳細URL: キノアーキテクツ公式サイト | カフェのホームページ
このように、京町家「西陣の町家」の誕生は、地域の魅力を再確認させてくれる素晴らしい試みであり、今後もますますの発展が期待されます。地域の活性化に貢献するこの場所が、多くの人の憩いの場となることを願っています。