ペロブスカイト太陽電池の快挙
2025-01-17 09:34:19

京都発の企業がペロブスカイト太陽電池で世界最高効率を達成!

京都発、最先端技術の結晶



京都府久世郡久御山町に本拠を構える株式会社エネコートテクノロジーズは、新たな技術革新を成し遂げました。トヨタ自動車との共同開発により、ペロブスカイト太陽電池と結晶シリコン太陽電池を組み合わせた4端子タンデム型太陽電池で、世界最高クラスとなる30%以上の変換効率を実現しました。この成果は、両社の際立った研究開発能力を実証し、実用化に向けた大きな一歩となります。

ペロブスカイトの可能性



ペロブスカイト太陽電池は、単体でも理論上の変換効率は33.7%と非常に優れていますが、タンデム型にすることでさらに高い効率を狙うことが可能です。タンデム型は、ペロブスカイト層と結晶シリコン層を積層することで、合計でほぼ倍の43.8%に達する理論値を持ち、高効率の太陽電池としての優位性を示しています。

このタンデム型の仕組みは、可視光をペロブスカイトが利用し、赤外光は結晶シリコンが吸収するというもの。要するに、ペロブスカイトと結晶シリコンが協力してそれぞれの強みを活かし合う構造です。そのため、ペロブスカイトの透過性が非常に重要であり、今回エネコートテクノロジーズは赤外線透過率を81%に引き上げることに成功しました。

新たな自動車用太陽電池



自動車のルーフに太陽電池を設置する場合、その形状にフィットすることが求められますが、エネコートテクノロジーズはフィルム型のペロブスカイト太陽電池を開発。このフィルム型は、シースルー型としては驚異的な22.4%の変換効率を実現しました。この値は世界的にも前例がなく、技術の優秀さを物語っています。

フィルム型ペロブスカイト太陽電池と結晶シリコンのコンビネーションにより、タンデム型として合計30.4%の変換効率を達成しました。これは、車両のルーフにおける有用性を高め、今後の市場展開に大いに期待が寄せられています。

これからの展望



今回の成果はセルレベルの数値であり、今後はこの技術をモジュール化、さらには大型化する計画です。エネコートテクノロジーズは、ユーザーメリットを考えた高効率太陽電池の実用化に向けて、一層の取り組みを進める方針です。

この技術は2025年1月21日、22日に京都大学宇治キャンパスで開催予定の「The Asia-Pacific International Conference on Perovskite, Organic Photovoltaics and Optoelectronics (IPEROP25)」において発表されます。

エネコートテクノロジーズについて



エネコートテクノロジーズは、京都大学からの技術を実用化するために設立されたスタートアップ企業で、低照度向けや高照度向けの太陽電池技術に注力しています。特に、高照度向けの軽量薄膜太陽電池によるカーボンニュートラル社会の実現に向けた活動は、環境意識の高い現代において大きな意義を持つものです。

http://www.enecoat.com/ で更なる情報をチェックしてみてください。


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