エムトピアの3Dプリンター活用事例
京都府に本社を置く株式会社YOKOITOが、デジタルファブリケーション(DF)技術を駆使した株式会社エムトピアの取り組みを注目の事例として紹介しています。今回、エムトピアのDF事業部がどのように3Dプリンターを現場で活用する道を歩んできたのか、その詳細を伺いました。
株式会社エムトピアとは
玉野市に拠点を置くエムトピアは、長年にわたり家電や自動車内装のデザインモックの製作を手掛ける名門企業です。その美しい仕上がりに定評がありますが、デジタル技術の導入においては、「倉庫の置物」と化してしまった機材が多く、活用の進展が理解されていなかったという課題がありました。この背景を受け、エムトピアは3Dプリンターを本格的に活用するための再挑戦を始めます。
3Dプリンターの再挑戦
エムトピアでは、初期の3Dプリンターで得た経験を基に、Form 3を皮切りにForm 4およびFuse 1+を導入し、体制を整えました。この新たな挑戦は、社内からも非常に注目され、デジタル技術の進化がどのように現場の作業を変えていったかについて、常務取締役の林氏とDF事業部の久保氏にお話を伺いました。
Fuse 1+の特徴
Fuse 1+は、Formlabsが開発したSLS方式の3Dプリンターです。ナイロンやTPUパウダーをレーザーで焼結させることで、高精度な部品を製造します。このプリンターは、主に以下のような特長を持っています。
- - サポート材不要: 造形物がパウダーに包まれて造形されるため、別にサポートを設ける必要がなく、デザインの自由度が高まります。
- - 高強度・耐久性: ナイロン素材を用いており、機械部品や最終製品にも応用可能です。
- - 迅速な造形プロセス: 24時間以内に部品をプリントでき、後処理も一貫して行えます。
- - コスト効率: パウダーのリサイクルができるため、材料コストを削減します。
Form 4シリーズの技術
Form 4は、次世代の光造形3Dプリンターです。このモデルは、従来機種と比較して最大4倍のスピードで造形が可能で、0.05mm単位の精密なディテールを再現しています。エンジニアリング用途や医療用途を含む30種類以上の樹脂に対応しており、操作の簡便さも魅力です。
デジタル技術の可能性
エムトピアの経験を通して、デジタル技術がもたらす試作業界の変革を強く実感しました。従来の手作業による試作から、デジタル化によって業務効率や自由度が飛躍的に向上しています。YOKOITOでは、このようなデジタルファブリケーションの技術を幅広い業界に提供し、課題解決のサポートを行っています。
まとめ
デジタル技術の進化が試作業界にもたらす影響は計り知れません。株式会社エムトピアの取り組みは、デジタルファブリケーションが持つ秘密の力を示しています。もしもAM技術に関心がある企業があれば、YOKOITOに相談することで、新たな可能性の扉を開くことができるでしょう。