観光業のデジタルトランスフォーメーションの新たな息吹
観光業界において、データの活用が急務となっています。最近、合同会社basicmathが開発した「mitsumonoAI」を活用した観光における意思決定の効率化が進んでいます。福井県観光DXコンソーシアムとの協力により、「オープンデータ×生成AI」を駆使した新たな仕組みが導入され、観光データの分析レポート作成時間が、なんと約2時間からわずか5分に短縮される成果を上げています。これは、観光業界における情報共有の頻度を月次から週次に進化させます。
問題意識:データはあるが、現場では活用されていない
近年、宿泊予約や来訪者データなどの観光関連データが整備されつつありますが、現場では以下のような課題が山積しています。
- - 分析に時間を割く余裕がない
- - 専門的なダッシュボードを使える人が限られている
- - 数値をもとに施策を立てるのが難しい
このように、せっかく存在するデータが十分に活用されていない状況が続いているのです。そこで、basicmath社は「読むだけで状況が把握でき、意思決定に使える情報を自動で届ける」仕組みを構築しました。
自動生成で実現するレポート作成
この新しい仕組みでは、FTASなどのオープンデータを基に生成AIが自動でレポートを生成し、関係者に定期的に配信します。具体的には、以下の機能が実装されました。
- - 定型的な分析ロジックに基づいたレポート生成
- - 重要な観光動向の変化点を文章化
- - メールなどによる定期的なプッシュ配信
このシステムによって、従来のようにダッシュボードを個別に分析する手間が省かれ、受け取ったレポートを読むだけで観光動向を把握できるようになります。
作業時間の大幅短縮と共有頻度の向上
この実証プロジェクトが導入されたあわら温泉エリアでは、以前はFTASからCSVをダウンロードし、手作業でレポートを作成するのに約2時間を要していました。しかし、AIを用いた自動生成によって、この作業は約5分で完了します。それにより、情報共有の頻度も月に1回から毎週に増加しました。この結果、観光地の経営において価格調整や販促施策が進行中に行えるようになり、業務のスピード感も向上しました。
ユーザーからの高評価
この実証期間中、観光事業者や自治体職員からなるアンケート調査を実施したところ、満足度は7.0点と高評価を得ました。特に、経営者層からは「操作不要で全体像を把握できる」「会議や判断にそのまま使える」という点が高く評価されています。
福井県観光DXコンソーシアムの思い
福井県観光DXコンソーシアムでは、FTASを通じて得られる観光データを現場で「使われる形」にすることに取り組んでいます。その結果、観光事業者や地域が“今何が起きているのか”をリアルタイムで共有できる環境が整いました。このデータ駆動型経営の確立に向けて、今後も新たな施策を続けていく所存です。
これからの展望
この実証が成功した背景をもとに、今後はPDFやPowerPoint形式での出力、ビジュアル強化、さらにLINEやSlackへの配信チャネルの拡充を進める予定です。具体的に観光DXは「分析」だけではなく、それを「意思決定に結びつける」ことが重要であり、この時間軸の変化が本システムの最大の成果です。観光業における新たな局面を迎えている今、basicmathの取り組みに注目です。