京都発の創薬ベンチャーRadioNano、1.5億円の資金調達を実施しがん治療開発を加速
京都市左京区に本社を構える創薬ベンチャー、RadioNano Therapeutics株式会社が約1.5億円の資金調達を実施しました。この資金は、京都キャピタルパートナーズや中信ベンチャーキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルなどからの支援を受けたもので、前回の調達と合わせるとシリーズAでの資金調達総額は約6億円に上ります。
RadioNanoは、京都大学の小松直樹教授と鈴木実教授が開発した、高親水性含ホウ素無機ナノ粒子を用いた中性子捕捉療法の社会実装を目指して設立された企業です。この中性子捕捉療法は、従来の放射線治療法とは異なり、特定のがん細胞を標的にすることで正常組織へのダメージを最小限に抑えることが期待されています。
これらのナノ粒子の研究開発には、京都大学イノベーションキャピタル株式会社のバックアップが大きく寄与しており、今後の進展が注目されます。資金調達された資金は、特にRN-501というリードパイプラインの臨床試験の準備および関連の研究開発に振り向けられます。
RN-501は、がん治療薬として開発が進められており、1粒子あたり約500万個のホウ素を含む特徴を持ち、がん組織への集積能力や滞留性が高いことが実証されています。この特性から、非常に効果的な抗がん作用を示しながらも高い安全性が期待されているのです。また、がん免疫作用を誘導する可能性も指摘されています。
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、熱中性子とホウ素の核反応を利用してがん細胞を攻撃する新たな治療法です。この方法の特筆すべき点は、放射線効果が局所的であり、正常な組織の障害を最小限にとどめられる点にあります。これにより、選択的に腫瘍を攻撃できる治療法として注目されています。
RadioNano Therapeuticsは、これからも京都大学との強力な連携を武器に、最新の科学技術を駆使して、がん治療薬の開発に邁進していくことでしょう。今後の活動から目が離せません。
さらに、RadioNanoについての詳細や、開発が進むRN-501についての情報は、公式ホームページや直接のお問い合わせを通じて確認することができます。これからの進展を期待しつつ、地元企業の成長を見守っていきたいと思います。