故・橋幸夫氏が京都芸術大学から名誉学士称号を授与される
橋幸夫氏に名誉学士称号の授与
京都市左京区に位置する京都芸術大学は、歌手の故・橋幸夫氏(本名:橋幸男)に名誉学士の称号を授与することを発表しました。この授与は、2016年に制定された名誉学位規程以来、初めてのことです。
橋氏は2022年4月、通信教育部書画コースの第一期生として入学されました。この選択は、彼が80歳を前に「大学生」という新たな道を選び取ったことが大きな話題となりました。この年の書画コースには521名が入学し、その半数以上が50歳以上の学生で構成されており、年齢や地域を超えた学びの場を提供する同大学の理念を体現した形となりました。
入学式の際、橋氏は「高校在学中に音楽活動を始めたため、大学に通うことができなかった。その悔いを晴らしたい」と語り、人生の中で学び続けることの重要性を説いていました。彼は歌手としての活動と並行し、着実に学業に励んでおり、2025年度の卒業を目指して残された「卒業制作」の準備も進めていました。逝去の直前まで彼は、京都芸術大学での学びを全うしたいという思いを抱いていたとされています。
橋氏の学びに対する姿勢は、学生や全国の多世代・多地域の人々に芸術を学ぶ楽しさを広めるものでありました。彼は京都芸術大学の理念、すなわち「藝術立国」を実践する象徴とも言える存在であり、その活動を通じて多大な貢献をしたことが、名誉学士の称号授与の大きな理由となりました。
このように、名誉学士称号が授与されることは、故・橋幸夫氏の業績を称えるだけでなく、京都芸術大学が大切にする学びの姿勢を改めて浮き彫りにします。同大学は現在、約23,000人の学生が在籍し、通信教育課程は私立大学の中で最大の規模を誇ります。
通信教育部の芸術学部には、芸術教養学科、文化コンテンツ創造学科、芸術学科、美術科、環境デザイン学科の5学科19コースがあり、2025年5月1日現在では17,586名の学生が在籍しています。京都芸術大学は、今後も「藝術立国」を掲げ、さまざまなジャンルの芸術を通じた学びの場を提供していくことでしょう。
この名誉称号の授与は、故・橋幸夫氏の追悼とも相まって、多くの人々に影響を与えることでしょう。彼の遺したメッセージに励まされ、次世代のアーティストたちが新たな一歩を踏み出していく姿が楽しみです。