新しい視点で体験する展覧会「貝をぬける」
2025年10月18日から2026年5月10日まで、京都のBnA Alter Museumにて新たな展覧会「貝をぬける」が開催されます。本展は、日本図案館、船川翔司、本山ゆかりの三組のアーティストによる作品が展示され、鑑賞者に新しい視点と体験を提供します。
この展覧会のタイトルにある「貝」は、単なるモチーフではなく、作品や鑑賞者との関係性を象徴する重要な要素です。展覧会の会場である階段型ギャラリーSCGでは、来場者が10階までぐるぐると上り下りしながら作品に触れることができ、内と外の境界を越えた感覚的な体験が生まれます。作品は単なる鑑賞対象ではなく、私たちの思考を巡らせ、宇宙における自らの位置を再認識させてくれるフィクションとして存在しています。
主催者である筒井一隆氏の企画により、展覧会は現実とフィクションの境界を曖昧にし、鑑賞者が新たな経験を得られるよう工夫されています。特に、明治期の図案の革新文化から派生した木版画を中心に、日本の歴史や文化を体感することができる内容となっています。また、展覧会では、船川翔司氏のようにテクノロジーを駆使した作品や、本山ゆかり氏の絵画を作る過程で生まれる多様な現象を取り入れた作品も展示され、様々な視点からアートを楽しむことができます。
このように作品と観客が時間や空間を共有し、新しい関係性を築くことが本展のテーマとなっているのです。来場者は、各アーティストが生み出す独自の世界観を体験し、自らの感覚を広げる機会が待っています。さらに、音声ガイドのサービスも用意されており、より深い理解を得られることでしょう。
特に、BnA Alter Museumという独自の施設がこのイベントを一層特別なものにしています。アートを生活の一部として取り入れることを目指し、泊まれるアートルームやユニークなギャラリースペースを備えたこのミュージアムでは、アートと日常が交差する瞬間を提供しています。
会場の階段型ギャラリーSCGでは、かつて高橋由一が構想した『螺旋展画閣』のような歴史的な背景も感じさせながら、現代のアートシーンを新たに照らし出します。展覧会は入場料が一般1000円(学生は500円)、高校生以下は無料となっており、アクセスも便利です。
是非、心の内側にその「貝」を体感し、アートの持つ力を再発見する機会をお見逃しなく!