スチュワードシップ・コード改訂に向けた有識者会議の結果
令和6年11月18日、中央合同庁舎第7号館において「スチュワードシップ・コードに関する有識者会議」が開催され、様々な視点から議論が行われました。今回の会議は、対面とオンラインでの参加が可能であり、前回同様にウェブ上でのライブ中継が行われました。
1. 会議の概要
議事録の報告に先立ち、事務局の金融庁から本日の会議の目的である実質株主の透明性向上及び協働エンゲージメントについて、説明がありました。特に、機関投資家が保有株式について発行会社の問い合わせに応じる必要性が強調されました。
2. 実質株主の透明性向上
実質株主の透明性の確保に関する議論では、参加者から次のようなポイントが指摘されました。
- - 大量保有報告制度の適用対象外でも、企業と機関投資家の信頼関係を構築するための制度が求められています。
- - 現行の株主名簿管理についても議論があり、機関投資家が株式の保有状況を発行会社に説明することの重要性も指摘されました。これにより、企業にとって必要な情報が提供され、建設的対話が進むとされています。
この議論を受けて、システム面での支援が必要であるとの意見も多くありました。欧州のように、実質株主情報をデータベース化し、透明性を持った情報提供が求められています。
3. 協働エンゲージメントの促進
もう一つの重要なテーマである協働エンゲージメントに関して、参加者は次のような意見を表明しました。
- - 事業者間での協働は、個々の対話が効果的に行えない場合の補完手段となるべきです。
- - 投資家の多様な目的に応じたアプローチを採用することが重要であり、その中で協働でのエンゲージメントの重要性が強調されました。
また、協働エンゲージメントが実施される場合には、個々の機関投資家が持続可能成長や企業価値向上に徹底的にフォーカスする必要があるとの指摘もありました。
4. 結論と今後の方針
今後の方針としては、実質株主の透明性を確保するための法制度の整備や、企業と機関投資家の効果的な対話を促進するための具体策の検討を進めることが不可欠とされています。また、協働エンゲージメントに関しても、参加者間の意見調整や実効性の確保に向けた取り組みが求められます。
重要な日程
次回の有識者会議の日程については、改善点などを踏まえ、次回の会議を開催する旨が事務局から告知されました。
このように、スチュワードシップ・コードに関する議論は着実に進行しています。今後も各メンバーの意見を反映しつつ、持続可能な資本市場の構築に寄与していくことが期待されます。