秋の健康志向と鼠径ヘルニアの増加
最近、秋が訪れ、運動したくなる季節がやってきました。ジョギングやゴルフ、登山など、アクティブな活動が再開される中、実はこの時期に注意が必要なのが「鼠径ヘルニア」です。この病気は、特に中高年男性に多く見られるもので、足の付け根から腸が脱出し、様々な不快症状を引き起こします。実は、気づかないうちに悩まされている方が多いのです。
鼠径ヘルニアとは?
鼠径ヘルニアは、筋肉の隙間から腸が飛び出してしまう病気です。中高年の男性に多く見られ、主な原因は歳を重ねることや体の弱点です。特に、重いものを持ったり、運動をすることで症状が悪化しやすく、秋に運動を再開したタイミングで、違和感や膨らみに気づく人が増えます。具体的には、「ゴルフのスイング時に足の付け根がモコっと出る」や「運動すると何かがふくらむ感じ」など、症状はさまざまです。
治療を受けない人が多い現状
日本では年間約50万人が新たに鼠径ヘルニアを発症すると言われていますが、そのうち約70%が治療を受けていないという調査結果があります。その理由としては、「痛くないから様子を見ている」「忙しくて入院する時間がない」「年齢に不安がある」「どの病院を選べばいいのか分からない」といった誤解や放置が挙げられます。しかし、鼠径ヘルニアは放置すると悪化し、腸が戻らなくなり、最悪の場合、緊急手術が必要になることもあります。
日帰り手術のメリット
そんな中で、近年注目が集まっているのが「日帰り手術」です。特に、当院で行っている「小型カメラを用いた日帰り手術(SILS-TEP)」は、入院を必要とせず、手術後は数時間で帰宅できます。実績としては、2025年8月時点で手術件数が7,500件を超え、日本で最多の実績を誇っています。手術後は翌日から日常生活に戻ることができ、運動も2週間後から再開可能です。これなら忙しい日常の中でも、支障が少なく済みます。
患者の声
「治せることは知っていたが、日帰り手術ができるとは思わなかった」という声は多く聞かれます。実際に手術を受けた方々からも、「もっと早く来ればよかった」「本当に日帰りだった」との驚きや喜びの声が寄せられています。
早めの健康投資を
特に運動がしたくなる今の時期、「今、違和感があるけれど我慢すればいい」と考えず、日帰り手術という選択肢があることを理解していただきたいです。健康は人生100年時代を生き抜くための大切な投資です。自分の体をしっかりとケアし、アクティブに過ごすためにも、ぜひ専門医に相談することをお勧めします。
最後に
「お腹に入らない鼠径ヘルニアの日帰り手術」は、切開も非常に小さく、術後の負担も少ない治療法です。少しでも気になったら、まずは専門のクリニックに相談してみてください。あなたの健康は、あなたの手にかかっています。