京都で開催!印章職人のアート個展
印章職人・三田村熙菴(きあん)が手がける個展『はんこ文字アートの世界』が、2025年5月28日から6月2日まで、京都市中京区のアートギャラリー北野で開催されます。この展示では、印章文字デザインの新たな可能性を一般の方々に体験していただくことを目的としています。
印章業界の現状と三田村印章店の取り組み
近年、印章業界はデジタル化の波に直面し、同業者の多くが消えていく中、三田村印章店ではその伝統を守るため様々な活動を展開しています。95%近くの印章業者が激減した今、三田村さんはそれに逆行し、印章の魅力を伝える努力を続けています。具体的には、禅語Tシャツの制作や、大阪と東京での展覧会、さらにはクラウドファンディングなど、多岐にわたる試みが行われています。
「上手にやっていくことは難しいですが、印章のデザインを広めたいという情熱は変わりません」と三田村さんは語ります。彼はまた、デジタル時代においてもアナログの印章が持つ美しさを多くの人に知ってもらうため、個展を開催することに決めました。
個展の見どころ
個展では、禅語や俳句、柳宗悦の心掲による作品など、35点以上の印章文字アートが展示されます。その中には、茶道にまつわる禅語「喫茶去」といった文化的な要素も含まれ、見る者に深い感銘を与えます。印章は時に使われるものとして考えられがちですが、最近ではアートとしての一面も評価されており、デザインはすべてアクリル絵具で手描きされているため、温かみも感じられます。
彼は「印章のデザインをただの実用から離れた芸術作品として楽しんでもらいたい」と話しており、この個展はそれを体現する場となります。作品を通じて、印章そのものがアートとしてどのように表現されるのかを体験することができます。
三田村氏の背景
三田村熙菴は1959年に大阪で誕生し、2014年には「現代の名工」に認定され、2017年には黄綬褒章を受章しました。彼の技術と情熱は、多くの人々に感動を与え、捨てられがちな印章文化の大切さを改めて見直す契機となっています。継承されるべき技術と、新しい形式を取り入れたアート作品が見事に融合した展示を通じて、訪れる観客は深い感動を得ることでしょう。
まとめ
三田村印章店の個展『はんこ文字アートの世界』は、京都で開催中の印章アートをじっくり楽しむ絶好の機会です。伝統を重んじながらも、新たな表現へと挑戦する三田村氏の姿勢に触れることで、印章の持つ奥深い魅力を再発見できることと思います。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
開催情報
- - 期間:2025年5月28日(水)~6月2日(月)
- - 場所:アートギャラリー北野
京都市中京区三条通河原町東入恵比須町439-4 コーカビル1F
アートギャラリー北野の公式サイト