伝統とデジタルが交差する京のふろしきプロジェクト
2025年に開幕する『大阪・関西万博』で、京都関連エリアから発信される新たな魅力。それが、株式会社digglueが展開する「京テキスタイルプロジェクト」です。このプロジェクトは、ふろしきを活用した持続可能な生活文化を創造し、国内外の来場者に日本の伝統を届けることを目的としています。
ふろしきの再発見
ふろしきは、日本の伝統的な風呂敷文化として長い歴史を持ちますが、昨今の環境問題からその存在意義が見直されています。EXPO2025では、プラスチック製レジ袋の提供が原則禁止されるため、多くの来場者が環境にやさしい代替品を求めています。その中で、ふろしきの需要はますます高まることでしょう。
デジタルの力で未来をつなぐ
本プロジェクトの最大の特徴は、digglueが提供するデジタルプラットフォーム「CiReta!」の導入です。CiReta!はデジタル・プロダクト・パスポート(DPP)に対応したもので、各ふろしきに固有のIDを付与し、その歴史や前の所有者からのメッセージを記録することが可能です。これにより、寄贈されたふろしきはただの中古品ではなく、思い出や物語を持った特別な存在へと変貌を遂げます。
例えば、あるふろしきが前の持ち主の思い出やエピソードを語ることで、その価値や魅力が一層増します。これが、消費者にとっての新たな購入動機となるのです。また、ふろしきは繰り返し使用できるため、環境負荷の低減にも貢献します。
ふろしきの多様な活用法
このプロジェクトでは、ふろしきを買い物袋として利用するだけでなく、ファッションアイテムやギフト包装としての新たな使い方も提案しています。使い捨てプラスチックの削減に加え、ふろしきを通じて生まれる新しいコミュニティやネットワークの形成も視野に入れています。来場者がふろしきを通じて他者とつながる機会を設けることで、感じる楽しさを提供します。
EXPO2025での具体的な展開
EXPO2025会場では、ふろしきを身近に体験できる様々な機会が設けられます。例えば、京都ゾーンの「環境・SDGsウィークス」や、リングサイドマーケットプレイス西1階の「おこしやす 京の小路」にて、参加者はふろしきを使用して実際に買い物をすることができます。リユースふろしきには、CiReta!にアクセスできるNFCタグが付いており、スマートフォンで読み取ることでそのふろしきのストーリーを簡単に知ることができます。これにより、来場者はふろしきの歴史や前の持ち主のコメントなどをすぐに理解し、新たな価値を見出すことができます。
さらに、購入後は新しいメッセージを追加できる機能も用意されています。この仕組みは、ふろしきが人々をつなげる役割を果たすことを狙ったもので、持ち主同士の交流を生み出すことが期待されています。
結びに
2025年の大阪・関西万博において、京のふろしきがどのように進化し、未来の持続可能な社会に貢献するのか。伝統とデジタル技術が融合することで新たな価値が生まれ、それが持続可能な生活文化へとつながっていく様子を是非体感していただきたいと思います。