ローム株式会社の新MOSFETがAIサーバーの電力効率を大幅改善

ローム株式会社の新製品 "RY7P250BM" の登場

京都市を拠点とするローム株式会社が、48V電源のAIサーバーや関連する産業機器向けの新型100V耐圧パワーMOSFET「RY7P250BM」を発表しました。この新製品は、ホットスワップ回路やバッテリー保護の分野で特に注目されています。ロームが開発したこのMOSFETは、今後の需要が期待される8080サイズで、既存の部品から容易に置き換えが可能です。

高SOA耐量と低ON抵抗の両立

新型MOSFET「RY7P250BM」は、高いSOA耐量と低いON抵抗を兼ね備えていることが特長です。ホットスワップという特性を持つ電源回路では、大電流負荷に耐えることが必須です。特にAIサーバーは、従来のサーバーより高いSOA耐量を望まれるため、ロームの新製品がどれだけそのニーズに応えられるかが注目されます。新製品は、パルス幅10msで16A、そして1msで50Aという業界Topクラスの性能を持っており、これまでのMOSFETでは実現できなかった高負荷アプリケーションに対応することが可能です。

電力損失の削減

この新製品は、一般的な8080サイズの高SOA耐量を持つ100V耐圧MOSFETに比べ、ON抵抗を約18%削減しています。従来品では2.28mΩだったON抵抗が、RY7P250BMでは1.86mΩに低減されました。これにより、サーバー電源の効率が向上するだけでなく、冷却負荷や電力コストの削減にもつながるのです。

世界中のクラウドプラットフォーム企業が注目

新型「RY7P250BM」は、クラウドプラットフォーム企業からも推奨部品として認定を受けています。このことからも、新製品が今後のAIサーバーに積極的に採用されるであろうことが伺えます。信頼性と省エネの観点からも高い評価を受けており、高いSOA耐量と低 ON抵抗の両方が重要視されるサーバー分野での適用が期待されています。

生産体制と価格

新製品は、月産100万個の体制で量産を開始し、サンプル価格は800円（税抜）という手頃な価格設定です。生産拠点はロームの滋賀工場で、後工程はタイのOSATが担当します。また、新型MOSFETはインターネット上でも購入可能で、コアスタッフ™オンラインやチップワンストップ™などから手に入れることができます。