京都府伊根町はその美しい風景で知られる漁師町であり、特に「伊根まぐろ」は近年その品質が高く評価されています。このたび、伊根町観光協会が推進する新たな実証事業において、デイブレイクが開発した特殊冷凍機「アートロックフリーザー」が採用され、伊根町産黒マグロを新鮮な状態で広域に流通させることを目指しています。
伊根町には約230軒の舟屋が並ぶ美しい景観があり、観光需要が高まっています。伊根湾沖で捕獲された天然の黒マグロは、特にその品質の良さから市場での競争力が高く、短期養殖された「伊根まぐろ」として知られています。今回の実証事業では、この伊根まぐろの流通拡大を図るため、冷凍流通の改善が試みられています。
一般的な冷凍技術では、解凍時にドリップと呼ばれる旨味成分や水分が流出するため、黒マグロのような脂肪分の多い食材には適しませんでした。しかし、「アートロックフリーザー」の特殊冷凍技術によって、食材本来の味わいを損なうことなく、効率的に流通させる方法が実証されます。この技術では、トラディショナルな冷凍過程で起こる氷結晶の歪みを最小限に抑え、細胞の損傷を防いでいます。さらに、冷却の湿度や風当て方に工夫を凝らし、従来の冷凍技術よりもはるかに高品質な冷凍が可能になります。
この実証事業は2025年3月まで続く予定で、データを集めてその成果を検証し、将来的には民間事業者がこの技術を引き継ぐことが期待されています。この取り組みを通じて、伊根町の地産地消の促進や、さらなるブランド価値の向上が見込まれています。
デイブレイクは、これまでの実績をもとに、特殊冷凍技術を活かして日本の食文化を広めるだけでなく、持続可能な社会への貢献を目指しています。また、2021年に発売された「アートロックフリーザー」は、現在までに約700社に導入されており、その高品質な冷凍に対する評価が高まっています。
今回のアプローチは、伊根町にとって観光業と漁業、さらには地域の経済全体にとって大きな意味を持つものです。新しい冷凍技術が伊根まぐろの品質を保ちながら広域流通を可能にすることで、今後ますます多くの人々にその魅力を発信できるでしょう。伊根町を訪れる観光客や地元の人々にも、この新たな取り組みが良い影響をもたらすことを期待しています。