京都芸術大学が織りなす「瓜生山ねぶた2025」
京都市左京区に位置する国内最大級の総合芸術大学、京都芸術大学。この学び舎の1年生約700名が集結し、独自のプロジェクト、「瓜生山ねぶた2025」を通じて、年に一度の名物授業「マンデイ・プロジェクト」の集大成を実現しました。
白色の巨大なねぶたが誕生
2023年9月10日、学生たちが2週間かけて制作した20基の巨大なねぶたが点灯しました。このイベントは、彼らの創造力の集大成を祝うものであり、訪れた人々を圧倒する光景が広がりました。学生たちが使用したのは木材、針金、和紙、光といったシンプルな素材です。それにもかかわらず、彼らの努力とアイデアによって生まれた作品群は、深いテーマ性と独自の美しさを持っています。
抽象的なテーマ「ん」への挑戦
今年のテーマ、「ん」は、数えきれないほどの解釈を可能にします。学生たちは、どのようにこの難解なテーマを視覚的に具現化するかについて、短期間で意見をぶつけ合いながら制作を進めました。その中で、互いに支え合い、時には困難を越える力を育んだことは、彼らの成長に繋がったと言えるでしょう。この制作プロセスは、単なる造形行為を超えて、将来社会に出て行く際の重要な経験となることが感じられました。
展示と評価—学生たちの創造性が光る
瓜生山キャンパス内で行われた点灯式の後、作品は9月12日から16日まで一般に公開され、来場者は学生たちの努力の成果を目の当たりにする機会を得ます。作品には、まるで生きているかのような存在感があり、各基が持つストーリーが来場者の心に響くことでしょう。
さらに、表彰式では、各賞の受賞作品が紹介され、創造性や洞察の深さが評価されました。学長賞に輝いたのはTクラスの『存在していたが、存在していなかったものそして存在するもの』で、始祖鳥をテーマにしたアイデアと造形力が認められました。
学んだこと—学生たちのリアルな声
学生たちはこのプロジェクトを通じて、協力することの難しさや、意見をまとめる過程の重要性を実感しました。しかし、同時に「答えがないからこそ、個性を出せる」という理解が深まり、ひとつの目標に向かって全員で作り上げる楽しさと達成感を味わったとの声が多く寄せられました。
未来へ—芸術を通じた社会への影響
京都芸術大学では、社会と芸術の関わりを重視し、アートの力を用いた社会実装プロジェクトを年間100件以上実施しています。このような取り組みを通じて、学生たちは実社会における課題を乗り越えるための力を培っています。
ぜひ、瓜生山キャンパスを訪れて、この素晴らしい作品を直接体感してください。芸術が持つ力と、学生たちの情熱を実感できる貴重な機会です。