堂本印象の魅力再発見!
2025年の秋、京都国立近代美術館では、「没後50年 堂本印象 自在なる創造」と題した特別展が開催されます。会期は2025年10月7日から11月24日までとなっており、近代日本画壇の巨匠である堂本印象の画業をたっぷりと紹介する貴重な機会です。
堂本印象とは?
堂本印象(1891~1975)は、京都で生まれ育った日本画家であり、20世紀の日本の絵画界に多大な影響を与えた人物です。彼は1918年に京都市立絵画専門学校に入学後、さらなる技術向上のために画塾「青甲社」に加わり、そこでの経験を通じて才能を開花させました。初の大きな成功は、第1回帝展での出品作《深草》の入選からで、以降も《調鞠図》や《華厳》等、多くの賞を受賞しています。彼の作品は、細密な具象画で知られ、特に初期の作品は官展での受賞歴も豊富です。
創作スタイルの変遷
堂本印象は、60歳を超えてからは海外へ渡り、多様な芸術表現に触れました。この経験が彼の画風に劇的な変化をもたらし、以後、抽象的なスタイルへと移行します。筆のストロークが躍動感に溢れ、目を見張るような新たな世界を築き上げました。今回の展示では、彼の代表的な作品を中心に、その多彩な創造力の変遷を辿りました。
展示作品の紹介
本展では、堂本印象の名作が数多く展示されます。1922年製作の《訶梨帝母》や、1932年の《冬朝》など、彼が描いた名作が多彩に揃います。また、1954年の《疑惑》や、1961年の《交響》といった抽象画も展示され、堂本印象の全貌を余すところなくお見せします。これらの章を通じて、彼の独自の視点と表現方法がどのように形成されてきたのかを理解する良い機会となるでしょう。
講演会の開催
本展の特別イベントとして、10月18日(土)には講演会「近代日本画壇の巨匠・堂本印象の創作(仮)」も予定されています。講師は、当館の主任研究員であり、本展の担当者でもある平井啓修氏。彼の豊富な知識と洞察を通じて、堂本印象という画家の世界をさらに深く知るチャンスです。
会場は京都国立近代美術館の1階講堂で、参加無料ですが、定員は80名と限られています。整理券は、当日11時から配布されますのでお早めにお越しください。
開催概要
- - 展覧会名:没後50年 堂本印象 自在なる創造
- - 会期:2025年10月7日~11月24日
- - 会場:京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)
- - 開館時間:午前10時~午後6時(金曜日は午後8時まで)
- - 休館日:月曜日
- - 観覧料:未定
- - 主催:京都国立近代美術館
この展覧会は、日本の伝統と現代が交差する場として、堂本印象の作品を通じて新たな発見を提供します。ぜひ多くの方々に足を運んでいただき、彼の芸術の奥深さに触れていただければと思います。