ROHMが誇る新SPICEモデル「ROHMレベル3」
最近、ロームが新しいSPICEモデル「ROHMレベル3(L3)」を発表しました。このモデルは、特にパワー半導体のシミュレーションにおいて、飛躍的な性能向上を実現しています。パワー半導体はそのシステム全体の効率に大きく影響を与えるため、高精度なシミュレーションが求められます。
シミュレーションの重要性と課題
従来の「ROHMレベル1(L1)」モデルは、各特性の再現性を高め、高精度シミュレーションに寄与してきましたが、シミュレーションの収束性や演算時間の問題が存在しました。これに対し、新モデル「ROHMレベル3(L3)」は、シンプルなモデル式を採用することで、計算の安定性を維持しつつ、シミュレーション時間を約50%短縮することに成功しました。
この短縮化は、特に回路全体の過渡解析を高精度かつ迅速に行えることを意味します。これにより、アプリケーション設計段階でのデバイス評価や損失確認が非常に効率的に行えるようになります。
第4世代SiC MOSFETとその活用法
「ROHMレベル3(L3)」は、37機種の第4世代SiC MOSFETモデルとして、2025年4月より公式ウェブサイトで公開される予定です。このモデルは製品ページからダウンロード可能で、導入の際に役立つホワイトペーパーも用意されています。これにより、ユーザーはすぐに新しい技術を利用できるでしょう。
また、従来のL1モデルも並行して提供されるため、既存の利用者も安心して新システムへ移行することができます。
ロームの今後の展望
ロームは今後も、シミュレーション技術の向上を図り、高性能で高効率なアプリケーション設計を支援することを目指しています。電力変換技術の革新に尽力し、さらなる技術の進化を促進することは、業界全体にとっても大きな意味を持つでしょう。
「ROHMレベル3(L3)」は、将来的な電力ソリューションの基盤を支える重要なモデルとなることが期待されています。新たな技術を活用し、より良い製品開発に結びつける努力を続けていくことで、ロームは業界のリーダーとしての役割を果たし続けるのです。
ぜひ、新たな「ROHMレベル3(L3)」を通じて、より高度なシミュレーション体験を手に入れてください。