岡山大学と京都薬科大学が手を組んだ新たな教育プロジェクト
国立大学法人岡山大学は、新たに薬剤耐性(AMR)対策の推進を目的とした教育プロジェクトを発表しました。この取り組みは、岡山大学病院の薬剤部と京都薬科大学との連携によるものであり、感染症分野での専門的な薬剤師の育成を目指しています。2025年の5月に開催された「第99回日本感染症学会総会・学術講演会/第73回日本化学療法学会総会 合同学会」で、村木教授がこのプロジェクトを紹介した際には多くの関心が寄せられました。
このプロジェクトの中心には、岡山大学病院薬剤部の東恩納司薬剤主任がいます。彼をはじめ、濱野裕章講師や座間味義人教授、さらに京都薬科大学からは豕瀬諒助教や村木優一教授が参加しており、専門的な知識と経験を活かした教育コンテンツの構築を進めています。
教育アプリ「KimBen pharma」の活用
同プロジェクトで特に注目されているのが、岡山大学発のベンチャー企業、株式会社Medswellが提供する教育アプリ「KimBen pharma」です。このアプリは、シミュレーションベースの学習を通じて、全国の感染症専門薬剤師が作成した模擬症例を体験できるコンテンツを提供しています。教育者による解説動画や基礎知識を学べるコンテンツも充実しており、これまでの主に学会での教育をデジタル化。いつでもどこでも学べる新しい持続可能な教育モデルとして展開されています。
利用の拡大と今後の展望
プロジェクト開始からわずか数日で100人以上がアプリを利用し始め、多くの好評を博しています。今後は、より多くの薬剤師や薬学生がこのアプリを活用できるように、コンテンツの充実を図り、情報発信を強化していく方針です。
その背景には、薬剤耐性対策が求められる現代の医学の中で、教育を通じて次代の医療を支える人材を育成する必要性があります。岡山大学は、地域中核としての役割を果たすため、持続可能な教育を推進し、地域や社会への貢献を目指す取り組みが期待されています。
この教育プロジェクトが成功することで、感染症分野における薬剤師の専門性やスキルが向上し、薬剤耐性対策の強化につながることが望まれています。岡山大学と京都薬科大学の連携に、ぜひ注目していただきたいです。