京都アニものづくりアワード2025ノミネート!
2024年度に制作された北海道函館市の「ムイとアワビの合戦」と山梨県甲府市の「弦間八兵衛と鮫」が、地方創生部門で「京都アニものづくりアワード2025」にノミネートされました。このプロジェクトは、一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団が協力し、日本各地の民話をアニメーションとして記録し、次世代へ継承することを目的にしています。これらの作品は、無形文化財として地域に根ざした物語を有形化し、教育や啓発、プロモーションに役立てられています。
函館市の「ムイとアワビの合戦」
物語の概要
物語は、海の底で住むムイとアワビという二つの貝が、仲違いから大きな戦いを繰り広げるところから始まります。神の裁きによって二つの貝はそれぞれ島の東西に住まうことになり、彼らの闘争は終息を迎えます。この物語は、海の生態系や資源について深く考えるきっかけを提供してくれます。
アニメーションの活用
函館市は「海洋に関するSTEAM教育」を推進しており、このアニメーションがその一環として使われています。具体的には、市内の小学校の修学旅行で活用され、アニメを通じて函館の海の環境や水産資源について学ぶ授業が行われました。また「はこだて国際科学祭」でもこの民話を題材にした座談会が開催され、地域の海の恵みについて考える機会が確保されています。
甲府市の「弦間八兵衛と鮫」
物語の概要
弦間八兵衛は甲斐国で名を馳せた弓の名手ですが、海で大きな鮫と対峙します。八兵衛は鮫を撃退するものの、後日浜辺に打ち上げられた鮫の白骨を目にし、彼は自身の行動に疑問を抱きます。この物語は、勇気と倫理の大切さ、さらには自然との関係性について考えさせられます。
アニメーションの活用
アニメ完成を記念して、甲府市では上映会も開催され、地元の専門家を招いたトークショーが実施されました。江戸時代の実在の人物弦間八兵衛や当時の生活様式、海なし県といえる山梨県と海との繋がりについての解説が行われました。また、地元の和菓子店と連携し、アニメをテーマにした新商品開発も行われ、地域の活性化に寄与しています。
日本の海とのつながりを次世代へ
この取り組みは単なるアニメーション制作にとどまらず、教育や地域振興、海洋環境の保全にも寄与しています。「海ノ民話のまちプロジェクト」を通じて、地域の誇りやアイデンティティを次世代に伝え、持続可能な社会の実現を目指しています。詳しい情報は、公式サイトやYouTubeでご覧いただけます。
結びに
京都アニものづくりアワード2025は、今後も地域の文化を育む大切な機会です。ノミネートされた作品がどのように評価され、今後どのように育まれていくのか、多くの方に注目していただきたいと思います。