神戸大学発のスタートアップ、テラアクソンの新展開
2023年、神戸大学発のAIスタートアップ「株式会社テラアクソン」が、シリーズAラウンドにて約1億円の資金調達を行いました。この資金調達は、神戸大学キャピタルがリード投資家となり、SMBCベンチャーキャピタル、みなとキャピタル、フューチャーベンチャーキャピタルの4社が参加したもので、これによりテラアクソンの累計資金調達額は約1.3億円に達しました。
テラアクソンの目指す未来
テラアクソンは、人工知能(AI)の研究・開発・運用を推進することにより、社会におけるQOL(Quality of Life)向上を図っています。特に人とAIが共生できる環境を目指し、プライバシーや倫理、持続可能性という課題に取り組んでいます。今回の資金を通じて、さらなる研究開発の強化や、製品の市場投入を進める計画です。このように、テラアクソンはそのビジョンに共感した投資家と共に成長を支援する体制を築いています。
資金調達の狙い
調達した資金は、主に研究開発と製品化の強化に充てられる予定です。具体的には、AIのセキュリティ技術やデータ秘匿技術の研究を進める一方、国内外のデータサイエンティストの採用も加速します。また、大学や企業とも連携し、Deep Techエコシステムを形成することを目指しています。高いユーザビリティを持つAI製品を製造し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の分野での競争力を高める方針です。
投資家の期待
出資者たちも、テラアクソンの理念に強い期待を寄せています。神戸大学キャピタルの石田真士キャピタリストは、同社が持つ技術力と商業化の進展を評価し、AIによるプライバシー関連の課題解決が多くの産業活性化につながると期待を寄せています。
また、SMBCベンチャーキャピタルの川戸啓太様は、テラアクソンが提供するプライバシーテックに注目し、今後の成長を支援すると強調しました。彼は、AIと人間の共存を目指した取り組みが社会にもたらす可能性に大きな期待を寄せています。
事業概要と技術の特性
2022年に設立されたテラアクソンは、特に連合学習や継続学習といった先進技術を駆使し金融機関向けの特殊詐欺検知や、健康分野におけるAIサービスの開発を行っています。このような技術は、企業が特別な技術者を抱えることなく導入可能な、持続可能性を有したAIとしての特性を持っています。
社会課題への取り組み
テラアクソンは社会的な課題解決に向けた取り組みを進めています。特に特殊詐欺対策やプライバシーの保護など、人々の日常生活に直結する問題に対して、積極的にAI技術を活用する姿勢は注目に値します。様々な分野での社会実装を目指す同社は、今後も地元の金融機関との連携を深め、地域経済の活性化にも貢献していくことでしょう。
これからの展望
テラアクソンの進捗は、関西地域のスタートアップにおいても大いに期待されます。革新的なAI技術がもたらす未来を見据え、企業や投資家、研究者との連携を強化していく姿勢は、地域全体のイノベーションを促進する重要な一助です。今後の動向から目が離せません。