京都蔦屋書店で開催される塔尾栞莉の個展「ここから見ると」の魅力

京都市下京区の京都蔦屋書店は、2月22日から3月11日までの期間、アーティスト塔尾栞莉による個展「ここから見ると」を開催します。本展では、記憶の儚さをテーマにした新作や過去の作品が並び、アート愛好者だけでなく、初めてアートに触れる方にも楽しめる内容となっています。

塔尾栞莉は大分を拠点に活動する若手アーティストで、独特の技法を駆使して自らの記憶をブラッシュアップした作品を制作しています。彼女は、幼少期のアルバムや日常の風景をテーマに、記憶がどれほど美しい一瞬であるかということを示しています。作品《Time Travel》は、大阪の喫茶店での何気ない日常のワンシーンを描いたもので、塔尾がその場にいたかのような感覚を呼び起こします。

塔尾の制作方法は、一見複雑に思われます。まずキャンバスにマスキングテープを縦横に貼り、グリッドを作成。その後、各マスに絵具を塗り、テープで隠しては次のマスを描くという手法を繰り返します。この作業の中で、隣接するマスごとに色合いの違いや絵具の欠けが生まれることで、記憶の曖昧さや時間の流れを感じさせる結果を生んでいます。

アーティストの言葉からも、塔尾の作品がどのように彼女の感情や思考を反映しているかがうかがえます。彼女は「記憶を思い出そうとすると、印象的なものが詳細に欠けてしまうことが多い。そうした感覚を、アートを通じて再構築したい」と語っています。

展覧会には、最新作を含む全16点が展示され、入場は無料です。また、会場では作品の販売も行われます。特に、アートのECプラットフォーム「OIL by 美術手帖」では展覧会期間中に作品の購入が可能で、事前のプレセールスも行われています。

イベントの詳細は以下の通りです。