京セラが挑む海中無線通信技術の未来
京セラ株式会社は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「経済安全保障重要技術育成プログラム」において、2024年度の研究開発課題に採択されました。そのテーマは「海中作業の飛躍的な無人化・効率化を可能とする海中無線通信技術」です。これにより、海中での作業が大幅に効率化されることが期待されています。
K Programの目的と役割
「経済安全保障重要技術育成プログラム」、通称K Programは、内閣府の主導のもと、我が国が国際社会において競争力を維持するために必要な先端技術の研究開発及びその成果の実用化を促進することを目的としています。今回の採択は、日本が持つ技術力を国際的に示す重要なステップとなるでしょう。
2つの研究開発課題
今回京セラが採択された課題は、洋上風力発電設備に関連したもので、無人による作業の効率化を図るための海中無線通信技術が2つのタイプに分かれています。これにより、作業現場での負担を軽減し、安全性を向上させることが狙いです。
エリア構築型技術
最初のタイプは「浅海域で利用可能な可視光LED光源を使用した水中セルラ光無線通信技術の研究開発」です。この技術では、光通信チャネルモデルの構築やシステムの開発、環境影響評価、航路制御など多岐にわたって研究が行なわれます。これにより、外乱の影響を抑えた安定した双方向通信の実現を目指します。
遠距離トラッキング型技術
もう一つのタイプは「浅海域で利用可能なGaN系レーザーを用いたトラッキング型海中無線通信技術の研究開発」です。この技術では、遠距離トラッキング技術や専用通信機の開発を通じて、高解像度映像を遅延なく安定して送受信できる環境を整えることが目標です。
京セラのビジョン
京セラは、これらの技術開発を通じて海中作業の飛躍的な無人化および効率化を図り、総合的な海洋安全保障の強化に寄与することを目指しています。海中無線通信ネットワークの確立は、今後の海洋産業における新しいスタンダードとなる可能性があるのです。
京セラの取り組みは、科学技術の進展だけでなく、業界全体の成長にも寄与するでしょう。今後の展開に注目が集まる中、海中通信技術の進化は、より安全で効率的な作業環境を実現する一助となることが期待されています。
さらに、これらの研究成果が実用化されることで、海中での活動がより活性化し、新たなビジネスチャンスを生むことにもつながるでしょう。京セラは、この重要な課題に挑むことで、未来の海洋産業の発展に大いに貢献することが期待されます。
詳細は、JSTの公式ウェブサイトでご確認ください。
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