京都のモノづくり文化を担うKMGの新たなスタート
2023年、京都のモノづくり業界において重要な出来事が発表されました。これまでMonozukuri Ventures(MZV)が運営してきたKyoto Makers Garage(KMG)が、合同会社TSUKUMにその運営事業を譲渡することとなったのです。この変化がもたらす影響について紐解いてみます。
KMGのこれまでの道のり
KMGは2017年に京都市梅小路エリアにオープンしました。設立目的は、「モノづくりの裾野を広げる」ことであり、スタートアップや学生、クリエイター、アーティストが自由に利用できる場所を提供してきました。プログラムやワークショップを通して、年間に2000名以上の来場者を迎えるまでに成長しました。多様な利用者が集うこの空間は、クリエイティビティの源泉として多くの人に愛されています。
しかし、近年MZVはディープテック領域への本格的な進出を目指すようになり、その方向性がKMG利用者のニーズとは異なるものになってしまいました。これが継続的な運営における課題となっていたのです。
TSUKUMによる新たな運営方針
KMGを引き継ぐTSUKUMは、これまでのクリエイター活動に加えて、ディープテック分野への取り組みも視野に入れるとしています。これは、モノづくりの幅を広げる新たな挑戦とも言えるでしょう。特に、京都試作ネットとの連携を強化することで、より進化したモノづくり支援のモデルを構築することを目指しています。
TSUKUMの徳山氏は、「KMGがこの先も強いアカデミックな支援を受けられるようにしていきたい」とコメントしています。これからは、より専門的な知識と技術を応用したプロジェクトが期待されることでしょう。
MZVからのサポート
MZVはKMGの運営から完全に手を引くわけではなく、今後も一定の関与を続けます。これにより、KMGが安定した運営を継続できるようサポートしていく方針とのことです。今まで支援を受けてきた多くのクリエイターやスタートアップにとって、運営の移行は期待と不安が入り混じるものではありますが、この新しいチャンスを活かせるように進んでいってほしいですね。
まとめ
KMGの運営事業譲渡は、単なる運営者の移行ではなく、京都におけるモノづくりの未来への新たな試みです。TSUKUMの手によって新しい可能性が広がることが期待されます。これからのKMGは、モノづくりを志すすべての方にとって更に魅力的な場所になることでしょう。
新たなスタートを切ったKMGに、引き続き注目していきたいと思います。