京都の挑戦:ガラパゴス諸島における生態系保全と農家支援
京都を拠点とする2つのベンチャー企業、株式会社坂ノ途中と株式会社バイオームが、ガラパゴス諸島の生物多様性を保全し、同地の小規模農家の生計向上を図るプロジェクトを開始しました。この取り組みは、2025年度のJICAの共創×革新プログラム「QUEST」に採択され、国際的にも注目が集まっています。
ガラパゴス諸島の現状と課題
エクアドルのガラパゴス諸島は、9000種以上の固有生物を擁する世界的にもユニークな生物多様性の宝庫です。しかし、外来種の侵入、観光業の急成長、農地開発、そして気候変動などが生態系に深刻な影響を与えています。この地域は、IUCN(国際自然保護連合)によって、持続可能な経済活動と生物多様性保全の両立が喫緊の課題とされています。
事業の目的とアプローチ
坂ノ途中は、アグロフォレストリーという農業手法を利用し、森林を守りながらの持続可能なコーヒー栽培を推進。海ノ向こうコーヒーを通じて、実際に600haもの栽培面積でこの手法が実践されています。バイオームは、生物情報に関するアプリやプラットフォームを開発しており、独自のモニタリング手法でデータを収集し、企業や関連機関と連携しています。
本プロジェクトでは、坂ノ途中が現地での栽培サポートを担当し、バイオームがデータ収集を行い、アグロフォレストリーが生物多様性の保全にどの程度貢献できるかを検証します。この結果に基づいた商品の販売も予定されており、売上の一部は環境保全や他地域での事業支援に回されます。
未来へのビジョン
本事業は、ガラパゴス特有の生物多様性保全のみならず、他の危機的状況にある地域にも展開していく可能性を秘めています。地域の生態系を守りながら、農家が持続可能な生活を営めるよう支援することが目指されています。
このプロジェクトの成功が、異なる地域でも再現され、多様性を大切にした農業のモデルとして広がることか期待されています。持続可能な未来を見据えた取り組みには、多くの人々の関心と協力が必要です。これからの展開から目が離せません。
企業の紹介
株式会社坂ノ途中
環境に優しい農業を実践し、農薬や化学肥料を使わずに栽培された農産物を販売しています。新規就農者の支援にも力を入れ、高品質のコーヒー栽培を通じて森林保全と農家の収入確保の両立を目指しています。
公式サイト
株式会社バイオーム
生物多様性の保全を目指すプラットフォームを展開し、アプリやビッグデータの解析を通じて、企業や自治体との連携を強化しています。
公式サイト
これらの企業が生み出す新たな価値に、今後も注目していきたいと思います。