OOYOOと大塚化学の共同取り組み
京都に本社を持つ株式会社OOYOOは、大塚化学株式会社と共同で、徳島工場においてガスボイラーからのCO₂回収に関する実証実験をスタートしました。
本取り組みは、7月に成果が発表された境港バイオマス発電所での実証実験に続くもので、製造業における新しいCO₂削減および循環利用モデルの確立を目指しています。OOYOOが開発した高性能分離膜モジュールを用いて、ガスボイラー排ガスに含まれるCO₂を効率よく回収し、回収したCO₂を工場内での既存のCO₂利用に置き換えることで、循環利用の可能性を探ることが目的です。
実証実験の目的
この実証実験では、以下の3つの主要なテーマが設定されています:
1.
回収CO₂濃度の最適化
排ガス条件下での分離膜の性能を検証し、効率的な回収条件を明確にする。
2.
装置運転の安定性評価
長期間の運転時における膜の性能や耐久性を評価し、商用化に向けた安定した稼働条件を確立する。
3.
CO₂循環利用のトライアル
回収したCO₂を工場の工程で再利用し、工場単位でのCO₂リサイクルモデルを実証する。
これにより、工場内でのCO₂の利用効率向上を図り、製造業の循環型カーボンマネジメントに向けた第一歩を踏み出します。
OOYOOの分離膜技術について
OOYOOが開発した分離膜技術の特長は、従来のアミン吸収法と比較してエネルギー消費が少なく、設備構成がシンプルであることです。その結果、初期投資や運用コストにおいても経済性を持ちながら、大小さまざまなプラントに柔軟に適用可能です。
大塚化学とのこの取り組みは、製造業におけるこの分離膜技術の導入を加速させる重要なマイルストーンと位置づけられています。
今後の展望
大塚化学との実証実験は、やはり先日の境港バイオマス発電所での取り組みに続くもので、OOYOOのCO₂回収システムは様々な産業分野で同時に検証・展開されることを目指しています。2026年度初頭には小規模システムの初期モデルを提供する計画で、同年内には中規模システムの開発・実証も視野に入れています。また、回収したCO₂を活用してカーボンクレジットの創出や国際的な脱炭素ビジネス展開も考えています。
NEDOの支援
このプロジェクトは、国立研究開発法人である新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けており、GX事業に関連する研究開発や量産化の実証を行っています。
株式会社OOYOOについて
OOYOOは京都大学が設立したディープテックスタートアップで、CO₂分離・回収に特化した技術を研究、開発、社会実装を推進しています。その技術は、エネルギーや化学、バイオ分野において、脱炭素社会実現へ寄与することを目指しています。
採用情報
現在、OOYOOでは持続可能なカーボンニュートラル社会を目指すための技術開発や事業開発のメンバーを募集しています。興味のある方はぜひ弊社ホームページをご覧いただき、お問い合わせをお待ちしています。
さいごに
環境負荷の軽減のために、新たな技術や取り組みが求められる今、OOYOOと大塚化学の共同プロジェクトは重要な意義を持っています。持続可能な未来に向けたこの試みから目が離せません。