Rist、Kaggleコンペで金メダル獲得の快挙
株式会社Rist(本社:京都市下京区)が、世界最大のデータ分析プラットフォームKaggleで開催された「AI Mathematical Olympiad - Progress Prize 2」において、堂々の金メダルを獲得しました。同社のKaggleチームに所属するKaggle Grandmaster、Chen Jian氏と、もう一人のGrandmaster山口大器氏が参戦したこのコンペティションでは、全体で2,670名の参加者が集まり、2,211チームがその腕を競い合いました。
コンペの概要
今回のコンペでは、数学のオリンピックに匹敵する難易度の問題をAIで解くという挑戦が課されました。コンペは2024年10月17日から2025年4月1日まで行われ、技術の先端を行く参加者たちが現代的なAIの能力を駆使して解答に挑みました。
Ristチームは、Chen氏が個人で7位、山口氏が参加したチームが9位の成績を残し、その努力が実を結ぶ形で金メダルを勝ち取ったのです。
Chen Jian氏の挑戦
Chen氏は、今回のコンペに参加するにあたり多くの困難に直面しました。限られた時間での作業とGPUリソースの制御が求められた中、彼はオープンソースモデルを用いた効率的な推論に焦点を当てました。具体的には、(1)長時間のバッチデコーディング時の帯域幅ボトルネックを軽減するためのKVキャッシュ量子化、(2)過去のプロファイリング情報に基づいて推論パラメータを動的に調整することで、できる限り多くの多数決を可能にすることに取り組みました。
「コンペの中でいくつかの興味深い探求を行ったが、信頼性の高いモデルを構築するには至らず、金メダル獲得は幸運だった」と彼は振り返ります。
山口大器氏の感想
山口氏は、参加中に最新のLLM技術が次々と登場する様子に刺激を受け、コンペが進むにつれてリーダーボードが動く様子を目にして、技術の進歩をリアルタイムで感じたと報告しています。数学の問題は非常に難解で、最高のパフォーマンスを引き出すために試行錯誤が必要でした。彼の体験から得られた知見は、今後の技術発展に寄与することが期待されています。
Kaggleについて
Kaggleとは、登録者数約2,300万人を誇る世界的なデータ分析プラットフォームで、企業や団体が出題する課題に対して参加者が分析モデルの精度を競います。競技者は成績に応じてランク分けされ、最上位のKaggle Grandmasterは世界に362人しかいない名誉ある称号です。
Ristの特長と今後の展望
Ristは、2020年に「Kaggle枠採用」を始め、優れたKagglerを積極的に採用しています。現在、Rist Kaggle Teamには10名のGrandmasterと2名のMasterが在籍しており、高難易度のデータ分析やAI技術によるソリューション提供を行っています。
「画像AI事業」や「データ分析事業」を通じて、AI技術を用いたシステム開発やビジネスの支援を行い、顧客や社会の課題解決に取り組んでいます。今回の金メダル獲得は、Ristが今後さらに大きく成長するためのステップとなるでしょう。