未完の創造、金氏徹平の「tower (UNIVERSITY)」
2025年12月13日、京都市立芸術大学にて新たな展覧会「金氏徹平とthe constructions『tower (UNIVERSITY)』」がスタートします。京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで行われるこの展覧会は、著名な美術家で彫刻家の金氏徹平氏による代表作「tower」を新キャンパスの教育現場に合わせて再構築する試みです。
教育と創造が交差する展覧会
この展覧会は、金氏徹平の20年以上にわたる「tower」シリーズの最新形を目指しており、作品はさまざまな形式で変化しながら進化します。特に、学びの場において、教育と表現がどのように融合するのかが話題です。本学の新しいキャンパスは、開放的な環境を提供し、訪れた人々が視覚だけでなく思考も刺激される展示空間へとなります。
展覧会の意図は、完成された作品を鑑賞するだけではなく、創造活動とそのプロセスについて考察する場も提供することにあります。役割の異なる多彩なコラボレーターたちも展覧会の一部になっており、現場でのパフォーマンスを通して、観客と共に「創造の時間」を体験します。
魅力満載の「tower」
「tower」とは、大小さまざまな孔が空いた抽象的な建築物で、出入りする様々なものたちの活動を描いています。金氏のこれまでの研究と探求は、在学中のドローイングから始まり、コラージュや映像作品、舞台作品へと広がりました。このシリーズがどのように発展してきたのかを知ることができる良い機会です。
特に注目すべきは、煌びやかな衣装をまとったスタッフによる「tower」の搬入パフォーマンスです。作業着ではなく、舞台仕様の衣装を身につけたスタッフが彫刻を解体・運搬し、再構築する様子は、展覧会ができあがる過程そのものを表現します。観客はこのプロセスに身を置くことになり、ものが創り出される時間や行為を体験することができます。
多様なアーティストとのコラボレーション
本展は多くのコラボレーターによって成り立っています。荒木優光、小松千倫、contact Gonzo、dot architectsなど、著名なアーティストや建築家が参加し、本学の学生たちと共に展覧会を創造していきます。また、プロジェクト「TOPOS:まなびあう庭としての芸術大学」参加者も関与し、複雑かつ多層的な展覧会を形作ります。これらのコラボレーションは、単に作品を生み出すだけでなく、参加者一人ひとりが持つ視点や体験も大切にされます。
開催概要及び訪問情報
「金氏徹平とthe constructions『tower (UNIVERSITY)』」
- - 会期: 2025年12月13日(土)– 2026年2月15日(日)
- - 会場: 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(下京区下之町57-1)
- - 開館時間: 10:00–18:00
- - 入場料: 無料
- - 休館日: 一部指定日のみ
この秋冬は、金氏徹平の新しい探求を通して、教育現場でのアートの可能性を感じてみてはいかがでしょうか。創造が織りなす新たな風景に、ぜひご期待ください。