家庭のエネルギーを変えるニチコンの最新蓄電システム「ESS-T5/T6シリーズ」
ニチコン株式会社が新たな家庭用蓄電システム「ESS-T5/T6シリーズ」を市場に導入しました。このシステムは「太陽光発電」「蓄電池」「EV(電気自動車)」の3つを一体化し、家庭のエネルギー管理を大きく改善することを目的としています。これにより、家庭の電気代を最小限に抑えることが期待されます。
開発の背景
政府は2030年までに再生エネルギーの比率を50~60%にすることを目指しています。太陽光発電を自宅に取り入れることが義務化される中、電気料金の高騰と売電価格の低下が重なり、蓄電池の導入が求められています。また、2020年代半ばまでには新車のすべてが電動車に移行する目標もあります。これに伴い、EVの充電を化石燃料に依存しない、より持続可能な方法が求められています。
特に最近の気候変動により、災害や長期停電のリスクも高まっています。このトライブリッド蓄電システムは、EVのバッテリーを家庭のエネルギーとしても利用できるため、非常時においても安心を提供します。
トライブリッド蓄電システムの特長
新しい「ESS-T5/T6シリーズ」は、以下の3つの特長を持っています。
1. 電気代の削減
自宅の太陽光発電システムを最大限に使うことで、昼間に作られた電力をEVと蓄電池に効率的に充電。夜間や天気が悪い時にも電力を活用できるため、電気代の抑制が可能になります。業界で最も高い9.9kWの出力を持ち、家庭全体に電力を供給することができます。
2. EV充電によるコスト削減
昼間に自宅にいるとき、太陽光発電によってEVのバッテリーを直接充電することができます。さらに、昼間不在の場合も蓄電池に電力を貯め、夜にEVを充電できる仕組みです。これにより、ガソリン代も抑えることが可能になります。
3. レジリエンスの向上
停電時には大容量のEVバッテリーと蓄電池が家庭全体をバックアップします。家庭用の全負荷200V対応により、エアコンやIH調理器具も使用可能ですので、災害時においても通常の生活を維持できることが大きな特徴です。
環境負荷の軽減
さらに、このシステムは「家で作った電気を家で使う」ことを基本コンセプトとしており、再生可能エネルギーの普及に貢献することが期待されています。カーボンニュートラルを目指す現代の環境問題に寄与する意味でも、重要な役割を果たすことでしょう。
蓄電システムの新モデルは、2025年秋に発売予定で、初年度の販売目標は20,000台となっています。今回の「ESS-T5/T6シリーズ」の登場は、家庭のエネルギー管理と環境保護の新しいスタンダードとなることが期待されます。ニチコンは今後もさまざまな製品を通じて、持続可能な未来の構築を目指していく所存です。