企業における通話録音データの活用とAIの導入状況
背景
近年、企業のコンプライアンス強化やカスタマーサービス向上の観点から、通話録音が一般的になっています。しかし、蓄積されたデータが活用されずに「ブラックボックス化」されるケースも少なくはありません。AIを利用した録音データのテキスト化や要約が進んでいる一方で、現場ではいまだ「使いこなせない」といった課題が横たわっています。これらの状況を踏まえ、株式会社シンカは「企業における通話録音データの管理とAI活用実態」に関する調査を行いました。
調査概要
本調査は2026年の3月26日から31日にかけて、1,019名の企業の管理職や責任者を対象に実施されました。主な内容は、顧客との通話録音データの管理状況及びAI活用実態です。
AI活用の実態
調査の結果、顧客との通話録音を実施している企業の約8割がAIを活用していることが判明しました。導入されているAI技術は、主に長時間の通話データの自動要約が中心で、そのほかにも通話内容のテキスト化や感情分析に使用されています。しかし実際には、多くの企業が「一部活用」にとどまり、全社的な業務効率化には至っていない現実があります。
検索・分析にかかる時間
AIを利用しているにも関わらず、目的の通話内容を確認するためにかかる時間が1件あたり平均で約5分前後という結果が出ています。特に、多くの企業で5分前後の検索時間が最も多くの割合を占めています。これが組織全体での業務時間のロスにつながり、顧客へのレスポンスの遅延を引き起こしている可能性があるのです。
録音データの膨大化による課題
録音データの蓄積状況を確認すると、約8割の企業が全ての通話を録音していると回答しました。しかしその一方で、膨大なデータの中から必要な情報を探すことが困難になっています。管理方法としては、クラウドサービスが最も多く選ばれていますが、アクセスのしやすさや検索性の問題が顕著に表れています。
業務改善に向けた課題
調査結果からは、「必要な音声を探しづらい」と回答した企業が最も多く、自動テキスト化がされていない場合や、内容を把握するのに時間がかかる状況が、データ活用を難しくしている要因だと考えられます。AIを活用することが期待されますが、根本的なデータの管理方法や検索システムの見直しが必要です。
今後の展望
調査では、企業の約9割が今後のAI活用の強化が必要であると感じていることが明らかになりました。これにより、録音から検索、テキスト化、分析までが一貫して行える環境を整える必要があります。
まとめ
今回の調査から、通話録音データの活用におけるギャップが浮き彫りになりました。これからはデータをただ蓄積するのではなく、必要な情報への迅速なアクセスを可能にするシステム整備が求められています。
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