介護現場の生産性向上に向けた取り組みが京都で注目を集める
昨今、介護業界では人材不足や業務の多忙化が繰り返し報告されており、介護職員にとっては利用者との関わりに必要な時間を十分に確保することが難しくなっています。その中で、株式会社TRAPEが推進する介護現場の生産性向上施策が全国的な注目を集めています。ここ京都府でも、その取り組みが具体的な成果を上げていることをご紹介します。
TRAPEの取り組みとは?
株式会社TRAPEは、介護分野の変革を目指し、業務改善やデジタル化(DX)を通じて、より良い介護サービスの提供を支援しています。その一環で、同社が開発した無料オンラインツール「生産性向上くん®」や、伴走支援プログラム「Sociwell(ソシウェル)」を使って、実際の介護事業所の改善を行っています。
特に京都府内では、福祉人材・研修センターとの連携によりモデル事業所を選定し、具体的な取り組み支援を行いました。その結果、どのような改善が成されたのか、2つのモデル事業所の実践例を見ていきましょう。
モデル介護事業所紹介
社会福祉法人不動園 平盛デイサービスセンター
この施設では、日々の利用者数やシフトの影響による業務混乱を解消するため、厚生労働省のガイドラインに基づいた「マスターライン」を策定しました。就業環境を整えた結果、職員間の役割が明確になり、自律的に行動できるようになったのです。さらに、インカムを全員に配備することで、リアルタイムでの協働を実現しました。
この取り組みの結果、職員には余力が生まれ、利用者のケアもタイムリーに行うことが可能に。最終的には、定員を25名から35名へと大幅に増員することに成功しました。
社会福祉法人成光苑ライフ・ステージ舞夢
この施設では、体制変更に伴う業務遅延という課題に直面していました。そこで、マスターラインを用いて業務フローを可視化し、利用者のリフト使用時間や担当シフトを明記しました。その結果、リフトの活用を促進し、2人の介助が必要だった場面を1人で対応可能にしました。
その結果、排泄介助にかかる時間が週465分短縮され、食事介助を中断せずに利用者に集中できる環境が整いました。この改善によって、職員の心理的負担も軽減され、業務に対するモチベーションが向上する成果を上げています。
施設長からの感謝の声
これらの取り組みを実施した各施設の施設長からは、TRAPEのサポートに対する感謝の声が寄せられました。例えば、社会福祉法人不動園の藤原麻希施設長は、「これまで抱えていた課題を明確にすることができ、チーム全体で突破口を切り開くことができた」と語っています。
また、社会福祉法人成光苑の大垣智義事業課長も「スタッフ個々の課題を整理し、その解決に向けて取り組むべきことが明確になった」と述べています。こうした協力体制によって、より具体的な変化が生まれているようです。
これからの展望
京都府社会福祉協議会では、今後さらに広がる福祉業界の生産性向上を促進するための様々な支援を行っていく予定です。TRAPEの活動は、この新しい動きの一環となり、介護事業所の改革を後押しする重要な役割を果たしています。
今後も引き続き、京都の介護分野での取り組みに注目が集まる中で、新たな価値を生み出す努力が進められています。地域社会全体が、より良い介護を実現できるように、これからも各事業所の支援が続きます。